1/18 NY市場 

《NY株式市場》

18日のNY株式市場、NYダウは4日ぶりに反発、NQとS&P500は3日ぶりに反発。

TSMCが発表した好決算とAppleの投資判断引き上げで半導体中心に買われた一方で昨年末の巻き戻しで不動産や公益が調整している。

住宅着工件数や新規失業保険申請件数が市場予想より強く3月FOMCでの利下げ確率は100%から50%台に低下した。

セクター別騰落は情報技術や通信が上昇した一方、公益や不動産が下落した。


《為替・金利・商品》



🇺🇸 新規失業保険申請者数 

米国の先週1週間の新規失業保険申請者数は18万7,000人と、前の週から増加するとの予想に反し、1万6,000人減少、2022年9月以来、およそ1年4カ月ぶりの低い水準。

また、失業保険を継続して受給している人の数は180万6,000人と、前の週から2万6,000人減少した。

3週連続の減少で労働市場の堅調さが改めて示された。


失業保険継続受給者数に注目

「180万6000人」決して少なくはない

ここからどんどん増加してしまうとリセッションになるし、ここから減少していくと賃金インフレ再燃になりかねない

実は居心地の良い受給者数



🇺🇸 住宅着工件数 

米国の2023年12月の住宅着工件数は146万戸と、11月から4.3%減少、市場予想は上回ったものの、4カ月ぶりの減少に。

住宅建設の大部分を占める一戸建て住宅が落ち込み、全体を押し下げた一方、集合住宅は増加。

また、先行指標とされる住宅着工許可件数は149万5,000戸となり、11月から1.9%増加した。



🇪🇺 新車登録台数 

EUヨーロッパ連合各国の2023年12月の新車登録台数は合わせて86万7,052台で、1年前から3.3%減少、マイナスは2022年7月以来、1年5カ月ぶり。

項目別では、EVが最大市場のドイツで苦戦し、2020年4月以来の減少に転じた。

このほかにも、プラグインハイブリッド車やディーゼル車もマイナスで、全体を押し下げた。

一方、2023年通期の新車登録台数は1,054万7,716台で、4年ぶりのプラス。



IEA世界石油供給予測 

IEA国際エネルギー機関は18日、1月の月報を公表し、2024年の石油供給が日量1億0350万バレルと過去最高になる見通しを示した。

主要産油国で構成するOPECプラス以外の国での力強い増産がけん引する。

また、4-6月期に一部の主要産油国が自主減産を終えた場合、供給過剰になるとしている。



地政学リスク 

パキスタン軍は18日、イラン南東部にある反パキスタン武装組織の拠点を攻撃した。

イラン側は16日にパキスタン南西部にある反イラン武装勢力の拠点を攻撃しており、その報復とみられる。

イランと核保有国のパキスタンが互いの領内を攻撃するのは極めて異例で、緊張が高まる中、周辺国が自制を呼びかけている。



🇹🇼 TSMC決算 

台湾のTSMCが発表した2023年12月期の売上高は、半導体市場の低迷が響き、2009年以来、14年ぶりの減収。

売上高は2022年と比べて4.5%減の2兆1,617億台湾ドル(およそ10兆円)。

純利益は17.5%減の8,384億台湾ドルで、世界的な半導体の需要不足が響いた。

ただ2024年はAI人工知能向けの需要が期待できるとしてドルベースで20%台の増収を見込むとした。

また、熊本県で建設中の工場の開所式を2月24日に行うと発表したうえで、2024年中に工場の実用化を開始するとした。



🇨🇳 中国による日本産海産物禁輸 

中国税関総署が発表した2023年の日本からの水産物の輸入額は2022年と比べて40.9%減。

2023年8月から東京電力福島第一原発の処理水放出への対抗措置として日本産水産物の輸入を全面停止した影響で大幅に落ち込んだ。



米国株の見通し 


コンテナ運賃上昇中

インフレ再燃の芽?


《マグニフィセント•セブン上昇続くか》

マグニフィセントセブンの株価上昇は続く

黎明期のAIに対する膨大な研究開発費用怠りなく


《2024年EV需要は》

Tesla

2024年通期EPS予想を下方修正

・高い自動車ローン金利

・実はバイデン政権のEV補助金対象車が少ない

・トランプ再選なら環境問題は二の次に


それでも2025年には回復見込み



為替の見通し 


大統領選を控え今年は高ボラティリティと判断


株高でVIX指数が低位安定

金属市場(金銀レシオ)は一般的にVIX指数と連動

⇒現状はVIX指数の割高が鮮明

金の割高はボラティリティ上昇の備えか

VIX指数とドルはボラティリティ上昇時はドル高に

中銀•政治イベントでボラティリティが上昇しやすい⇒ドル高の可能性

ドル円は日米2年金利差と連動

今月FOMCで利下げ回数が否定されるか否か



日本株の見通し 


200日移動平均線との乖離で読む日本株

エンベロープ(移動平均線との乖離をチャート上に示したもの)

昨年5月に10%超でもみ合ってから上昇

現在も10%超あたりで持ち合っている

(TOPIXも同じ)

10%を維持できるかどうかが再上昇のカギ

維持にはEPS上昇が必要

製造業のEPSが上昇なければ36000円は難しい



きょうの予定 

今晩、ミシガン大学消費者信頼感指数

その中にある期待インフレ率に注目

期待インフレ率が下がらないと3月FOMCでの利下げ確率が大きく下がる



プロの眼 


NY連銀ウィリアムズ総裁の公式

「2024年はインフレ率が低下していくので利下げもしていくだろう」

⇒ハト派発言なのか?

ウィリアムズの公式ではPCEデフレターで低下見通し分だけを利下げ見通しとしている。

しかし、FOMCではテイラールール(インフレ率の1.5倍の利上げ)で政策を進めてきたのだから、それに乗っ取るならば、2024年は5〜7回の利下げが必要であり、現状の市場が見込む年6回の利下げは期待し過ぎという訳ではない。

今後、利下げスピードが緩慢でインフレ率が着実に低下していくならば、実質金利が高止まりとなってしまい、それが「金融危機の芽」になる恐れとなる。