1/11 NY市場 

《NY株式市場》

11日のNY株式市場は3指数ともに小幅な値動き、NYダウは続伸し、NQは5日続伸、S&P500は反落。

CPIの発表を受けて長期金利が上昇、NYダウは200ドル安からスタート。しかし時間経過とともにインフレ減速傾向は変わらないと長期金利が低下、NYダウもプラスまで回復。

市場は既に週末から始まる決算発表を待つ雰囲気に。

セクター別騰落は、情報技術とエネルギーのみがわずかに上昇、最も下落したのは公益。


《為替・金利・商品》



消費者物価指数 

2023年12月の消費者物価指数は、2022年と比べて3.4%上昇し、伸び率が4カ月ぶりに拡大した。

消費者物価指数の2022年からの伸び率は3.4%で、市場予想の3.2%を上回る。

項目別では、住居費が6.2%、食品が2.7%上昇した一方、ガソリンや中古車が下落。

前月比では0.3%のプラスで、こちらも11月から伸びが加速した。

一方、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は、2022年から3.9%のプラスで、2年7カ月ぶりの低い伸びに。市場予想は上回った。


米CPI

財の低下は明確であるが、サービスがなかなか下がらない

そしてCPI構成の3割を占める家賃においては、その先行指標となるケースシラー住宅価格指数が上昇に転じている


FRBの物価目標にはまだ遠い



新規失業保険申請者数 

米国の先週1週間の新規失業保険申請者数は20万2,000人と、前の週から増加するとの予想に反し、1,000人減少、2週続けて改善した。

また、失業保険を継続して受給している人の数は183万4,000人と、こちらも前の週から3万4,000人減少。

労働市場が依然として堅調なことが示された。



ビットコインETFスタート 

ビットコインに直接投資するETF11銘柄が米国のSEC証券取引委員会から10日に承認され、11日から、市場で取引が始まる。

NQでは11日、ブラックロックが設定した現物ETFの取引が始まりブラックロックの代表者がオープニングベルを鳴らした。ほかにもアーク・インベストメント・マネジメントや、グレースケール・インベストメンツなど合わせて11の現物ETFが、取引を開始。

投資家の層が拡大するとの見方でビットコインの価格は急騰し、一時、2021年12月以来となる4万9,000ドル台に、その後は4万6,000ドル台まで下落。



IEAは再エネ予測 

IEA国際エネルギー機関は11日に公表した報告書で、世界の再生可能エネルギーの発電容量が2030年までに2022年の2.5倍になるとの見通しを示した。

2023年12月、気候変動対策を話し合う国際会議=COP28は2030年までに3倍にする目標を掲げている。

IEAは、現状のままではCOP28の目標に届かないとして、新興国や発展途上国への支援など、追加の対応が必要と訴えた。



さくらリポート 

日銀は全国9地域の景気判断をまとめた1月の地域経済報告「さくらリポート」を発表。

能登半島地震があった北陸については「影響を注視する」としている。

東海と九州・沖縄の2つの地域で景気判断を引き上げた一方、近畿については輸出の弱さから持ち直しのペースが鈍化しているとして判断を引き下げた。

北陸は景気判断を据え置く一方、工作機械や半導体の生産拠点が多いことから「今後の地震の影響を注視する必要がある」としている。

また賃上げについては「濃淡はあるものの地方でも2023年よりもいくらか早いタイミングで賃上げの機運が醸成されつつある」と分析している。



米国株の見通し 


《CPI今後の見通し》

☆ マネーサプライの増減が物価に繋がる

マネーサプライM2(現金+預金+MMF)は減少している

⇒インフレ減速を示唆


《金融引き締め度合い》

☆現状は、利上げは終わりだが、利下げのタイミングは不明


「マネーサプライM2 ÷ GDP 」の数値は、利上げ効果により過去のトレンドラインまで下がる

このトレンドラインを下回るほどの引き締めをした時には株価クラッシュの覚悟はしなければならない



為替の見通し 


利下げ見通しでドル安が進んでいるが…

ドルの先行きは取引の1番多い通貨ペアのユーロドル次第


・ユーロ圏の物価減速は速い

・ユーロ圏の景況感は低調

⇒ECBの明確なハト化も

⇒ ユーロ安ドル高の可能性


ドル円は大きな円高にはならず底堅く推移

あっても135円/$程度で140円/$が中心



日本株の見通し 


裁定売買に要注意

日経平均と裁定買い残は連動

裁定買い残は昨年来からの上限6億株に到達

SQ前後が相場のピークボトムとなり転機になることが多い

本日SQ、SQ値の維持が来週以降のポイント

米株にらみの展開に



きょうの予定