バリュー株優位と「無形資産バブル」の転機



9月になって金利上昇とバリュー株優位は一段と進んでいる
しかしバリュー株優位の理由を単なる金利上昇だけに理由を求められない

ことの他、70年80年の初頭の有形資産を多くもつバリュー株投資は高パフォーマンスとなっていたが、90年初頭時にはかつての高パフォーマンスは得られなくなり(2000年はITバブルで無参考)、2010年からはバリュー株投資に魅力が無くなった。


代わって台頭してきたワードは
「無形資産(バランスシートに乗らない資産)」


無形資産とは
・人的資産
・企業ブランド
・私的財産
・研究開発の蓄積
・技術力
 
1990年代になって「無形資産」が「有形資産」への投資比率が上回った
⇒GAFAMのような企業が経済を支配してきた⇒無形資産の時代

無形資産の限界

無形資産企業は借り入れがしにくい

・担保がない⇒銀行融資を受けにくい

・だからキャッシュをため込む


IMF調べ

無形資産を持っている企業ほどキャッシュをため込む


デフレの時代」は「キャッシュ•イズ•キング」

インフレの時代」にはキャッシュを持っていると価値が目減りしてしまう


無形資産リッチ企業にとって逆風となっている

 

有形資産銘柄 無形資産銘柄で明暗
クロスセクション回帰分析の結果 広木調べ

9月の株価パフォーマンスがプラスなのは

・総資産に占める有形資産が多い企業

・総資産に占める有利子負債が多い企業


株価パフォーマンスがマイナスなのは
・総資産に占める現預金が多い企業
総資産に占める研究開発費が多い企業


年初来リターン 業種別ランキング

有形資産を持っている企業が直近高値を取っている


具体的には

東京電力、日本製鉄、三菱重工、三菱地所など好パフォーマンス

リクルート、キーエンス、任天堂など振るわず


知的財産/キャッシュリッチ企業
 ⇒無形資産バブルの巻き戻し
FRBの利上げがストップしたとしてもこの潮流の転換は難しい

今後もオールドエコノミー相場が続く