3/27 NY株式市場

27日のNY株式市場株価はまちまちの展開です。NYダウは3日続伸、ナスダックは3日ぶりに反落、S&P500は3日続伸。

経営破綻したSilicon Valley銀行の引受先が決まり、このところ高まっていた金融システム不安が後退、NYダウは終日プラス圏で推移し、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株を中心に買いが入る。

市場関係者からは「景気の先行きに関する不安は残るものの、金融システム不安は後退した」との声が上がる。

Silicon Valley銀行の破綻処理が進んだことで、銀行株が上昇。引受先となったファースト・シチズンズの上昇率は50%を超え、経営不安が続くファースト・リパブリック・バンクも11%上昇。

一方、ナスダックは軟調な1日。債券市場で10年債利回りが3.5%台まで上昇し、ハイテク株の重しに。



  First Citizen銀行による  Silicon Valley銀行の買収合意

米国中堅銀行のFirst Citizen銀行は27日、経営破綻したSilicon Valley銀行の買収に合意したと発表した。

ノースカロライナ州を地盤とするFirst Citizen銀行は、全米23州に550以上の支店を持つ、総資産額が30位の銀行。

フランク・ホールディングCEOは「銀行システムの健全性を支えていく」とコメント。



  FRB高官発言


FRBは27日、金融規制を担当するバー副議長が28日に行う議会証言の準備書面を公表。

Silicon Valley銀行の破綻について「経営失敗の教科書のような事例」だと指摘、破綻の背景として取引先がテック企業などに集中していたことや、金利のリスク管理が効果的に行われていなかったことなどを挙げたほか、問題の公表が遅すぎたことで、一気に取り付け騒ぎにつながったと批判した。

そのうえで、今後、銀行に対する規制の強化など、改革を進める考えを明らかにする。



  Ifo景況感指数

ドイツのIfo経済研究所が発表した3月の企業の景況感指数は5カ月連続で上昇、市場予想を上回る。

また半年後の先行きを示す期待指数も、前の月から上昇。

Ifoのフュースト所長は「一部の銀行の混乱にもかかわらず、ドイツ経済は安定しつつある」と指摘している。



  米国株の見通し


《4月相場は?》

過去30年、4月のSP500は株価が高い

確定申告で戻った資金が株式市場に流れる

・第一四半期の決算の内容が前向きであることが多い

毎週末に起きた金融機関の経営不安報道

ひと息ついたか?

信用不安の最中は長期金利が低下しハイテク株が買われた

4月は業績に目を向けられるか


《TikTokについて》

中国商務省の報道官

TikTokの米国への売却について「中国は断固反対する」

今回の議会証言を受けてCFIUS対米外国投資委員会との和解成立の可能性は低い

TikTokの米国事業の売却か、米国全土で全面禁止にされる可能性が高い

業界への影響

売却されるとするならば中国政府の承認が必要

⇒米国政府はTikTokのアルゴリズム無しでデータのみを買い取ることが予想される


結果的には、そのアルゴリズムを一から作り直すことが求められる

今回の議会証言の内容を受けて政府からの風当たりも強まる


スポンサーや代理店などが離れてしまうリスクもある

Metaの Instagram や YouTube が米国市場でシェアを拡大するチャンスが生まれる



  為替の見通し


中小銀行から預金引き出しは物凄い勢い

けれど金融システムに不安を見出すには至らず


FRBは強烈な利上げをしてきたが未だ充分なインフレ抑制にはなっていない故に利下げは出来ない

銀行の経営破綻からの貸出し厳格化は効果として利上げと同等



  日本株の見通し


NQ銀行株指数は大きく下落

⇒強い警戒感

⇒当局の対応で世界的な金融危機になるリスクは抑制されている

☆ 金融不安が後退しても景気への不安は残る

⇒株価の重しに


最近はテクノロジーやディフェンシブ株が堅調

⇒これは米国の利上げ終了や景気減速を見込んでいる

米国株はしばらく低迷の見込み