日本一ノーテンキな?がん研,手術・入院記-8
今回はPET/MRI検査について書く予定だったんですが,本来は後程書く予定だったものを先に書くことにしました。
理由はジャストミートな記事が出たんで,それを絡めつつ。
その記事とは「築地地区まちづくり事業」の事業予定者決定に関する記者会見が行われたというヤツです。
この築地地区というのは,旧築地市場の跡地を指しています。
数日前に,完成図などがネットに出回っていたので,すでにご覧になっている方もいるかもしれません。
東京都の小池知事は4/26定例会見で
「東京の魅力を高める街づくりを期待している」
と話したそうです。
あ,学歴詐称などの件についてはあえて触れません。
って,オイオイ!
遠回しにディすってるぞ!
再開発は三井不動産中心の企業連合で,総事業費は9000億円。
移転先の豊洲に投じた費用は約6000億円。
合計すると,とんでもない金額が動いてますねえ。
これじゃ,怪しい連中ばっか集まってきて,スンゴいことになってそうです。
ちなみに,豊洲の昨年の取扱量は,29.5万トンだとか?
築地時代最後の年より落ち込んでるらしいです。
予定では,その倍だったんで,そこに関しては完全な失敗となっています。
移転を一年先延ばしにして,混乱を招いた結果がこれです。
移転先も跡地もゼネコン主導の魅力あふれるまちづくり。
もうね,りっぱ過ぎて言葉も出ません。
まあ,地方の有料道路には車が走っていないとか,札幌ドームはネーミングライツさえ誰も名乗り出ないとか,机上の空論で枚挙にいとまがないのが政治家と官僚の通常営業ですから,ここもどうなることやら。
そろそろ本題イキます。
ではなぜ,この話題なのかというと,「国立がん研究センター中央病院」は築地にあるからです。
そして,がん研の前の道路を挟んだとこに,旧築地市場跡地があります。
この旧築地市場跡地の裏には隅田川が流れています。
言い方を変えれば,がん研と隅田川に挟まれた形で旧築地市場跡地が存在しているわけです。
入院中,ベッドから動けない時を除いては毎日,この築地跡地を目にしていました。
私が入院していたのは,14階。
病棟内でケータイ電話を使用できる場所は限られています。
食堂と呼ばれる場所付近にある公衆電話がかつてあったブースなども会話スペースとなっています。
もちろん公衆電話も一台だけありました。
これも時代の流れなんでしょうねえ。
他には清掃業者などが使用しているエレベーターがある一郭,その窓際にパイプ椅子が置かれ,そこでも通話可能となっています。
私はカミさんと連絡する時は,ここばかり使ってました。
多少寒いのが難点ですがフリース着こんで会話してました。
ここ,景色が抜群。
昼間だと右から遠方に,レインボーブリッジ,フジテレビ(お台場一体),右下には浜離宮,築地大橋,築地市場跡地,左には勝鬨橋。
左下には築地場外市場のインバウンドのにぎわいがわかり,築地本願寺の一部見えるという,とんでもパノラマビュー。
これが成功者でタワマンの上の階にでも住んで眺めているなら,きっと最高の気分なんだろうなあ,と想像しながら見ていました。
再開発が始まれば,旧築地市場跡地にスタジアムや公園などが,これに加わることになります。
夜になれば目の前にはライトアップされた光景が,今よりいっそう鮮やかに映し出されます。
そこには,多くの人の笑顔があふれていることでしょう。
しかし,がん研に入院している患者の多くは死を身近に感じながら,それを眺めてるわけです。
がん患者がこの上上の夜景のひとこまを見て,心がむなしくざわめくのは,献身的に患者に寄り添ってくれているがん研スタッフでも,想像がつかないかもしれません。
逆にがん研を見上げる人たちは,
「こんなところにがん研あったんだ?」
ぐらいなもんでしょう。
まさに天国と地獄。
こんな出がらしの言い回しが似合ってしまう街。
世の中のコントラストというと,とかく収入面や地位などに目が行きがちですが,こんな明と暗がある街,それが築地でもあるのです。
現実問題としては,その時になったら,そこに訪れる人たちは,がんで足元がおぼつかない人などもいるので,優しく対応して欲しいことと,駐車場が混んでいるからといって,がん研の駐車場へいれるようなクズがいないことを祈ります。
次回に続きます。