スケバンお京さんの狂犬日和(再会編-15)
奇蹟の5連チャン?
眠いっす!
んなワケで,本題イキます。
20分くらい,意識ブっ飛んでたようです。
気が付いたら,お京さんの濡れたハンカチがおデコに乗ってました。
やっぱり,これは絶対デキる!
この時,そう思いました。
って,起きて最初に,それかよ!
「生きてるみたいだな」
「なんとか・・・」
「まだ,臭うな。臭いぞ」
「そうか?慣れた」
「ちょっと待ってろ」
そう言うと,お京さん,どっかへ?
手を握ってみると,むくんでるのが分かりました。
冷えもあるんですが,心臓の調子が悪いと,だいたい目覚めで手がむくんでるんです。
戻ってくれば,起こしてくれるだろうから,
今度は一眠りしたいとこですが,
でも,気になるのは,お京さん。
このまま一緒にいて,果たして体が持つのか?
って,オイオイ!
どう考えても,完全無欠の疫病神っぽいし。
まさか,これが噂に聞く,エッチすると必ず死が訪れるという,
デス・スケバン?
んなワケないだろ!
って,もろパクリな上,まだ連載始まってないだろ!
そんな事考えてるうちに,また意識が飛んだようで,
「おい,花命,起きろ!」
の一声で,強制お目覚め。
「これ・・・」
お京さんの手には,セッケンが一つ。
「シャンプー買いに行ったんだけどよ,金持ってないの忘れてた」
そういえば,お京さん,小銭しかなかったの思い出しました。
「さっき言ったろ?臭いよ」
言ってくれれば,金渡したんだけどなあ。
ただ,さっきより気温も下がってたんで,洗いたくなのも事実。
「行くぞ!」
逆らうワケにもいかず,ついて行くことに。
って,そりゃそうだ。
水道が見つからなかったもんで私が,
「あのトイレでいいよ」
と言って,セッケンを受け取ろうとしたら,
「いいよ,一緒に行く」
「え?」
「聞こえなかったのかよ?洗ってやるよ」
「あの・・・,男子トイレだし,一人で洗えるし,別に逃げないし」
「最後の余計だよ」
目がマジなんですけど・・・。
結局,男子トイレの手洗い用の水道まで着いて来ちゃいました。
「脱げよ」
「え?ここでしちゃうとか?」
「お前なあ・・・」
汚れたTシャツを脱ぐと,お京さんに促されて,蛇口近くまで頭を。
どっ,どっ,ヒョーーッ!!!
さっきより,つべてー!
おそらく,人生でここまで頻繁に頭洗ったの初めてです。
って,いうか,もう一生ねーよ!
お京さん,セッケンを使って,かなり荒っぽく洗ってくれました。
拭くもん,バンダナしかないんです。
それも,何回も使ってるから,まだ濡れてるし。
と思ってたら,お京さん,バンダナ,洗い始めちゃいました。
「くせえーので拭いたら,意味ねーだろ!」
確かに,ごもっともなんだけど,マジかい!
仕方なく受け取ったバンダナを絞って,頭を拭いてたら,
今度はお京さん,Tシャツもセッケンで洗い始めました。
って,それだけはアカンだろ!
せっかく乾きかけてたのに・・・。
そしたら,今度はこっち見て,
「あ,忘れてた,背中・・・」
「え?いいって。頭,拭いたとこだし」
「せっかくTシャツ洗ったんだ。臭い背中に着るのか?」
「着る,着ます,大丈夫,問題なし!」
「ホレ,そこ」
って,マジですかーーー?
ブッヒョーーーー!!!
どんだけ,つべてーんだよ!
これで心臓止まったら,どうすんだよ!
やっぱり,デス・スケバン?
結局,抵抗虚しく,背中まで,洗われることに。
端から見たら,ボランティアに体を洗って貰ってるホームレス?
って,情けなさ過ぎるだろ!
臭いは,セッケンのおかげで感じなくなったんですが,
力いっぱい絞っても,乾くはずもなく,とっても,さぶいです。
「何,ブルブル震えてるんだ?やっぱし,救急車乗るか?」
って,誰のせいで震えてるんだよ!
「京子さん,アメ横まで着るもん買いに行く」
当時,自主映画を撮ってたんで,この日はフィルムを買うつもりで金を持ってました。
しかし,凍死する前に,8ミリフィルムを買う予定の金を着るもんに回すことに。
それにしても,カップルで昼間からセッケンの匂いぷんぷんさせて歩いてるのもあるのか,
私達とすれ違うと振り返る連中の多いこと。
それを見たお京さん,
「さっきから,なんでジロジロ見やがるんだ?」
「おそらくセッケンの匂いじゃん?
ラブホから出てきたと思ってるんじゃないのかな?」
「あたいと花命が?ウソだろ?」
「いや,おそらく,そうだって」
次回に続きます。