シュロゲーの町まで行くと、小さめの魔獣が結界にぶち当たって中に入ろうと暴れている最中だった。
凄い群れだなぁ~
シュロゲー自体相当な奴なんだなぁ~この魔物の群れでも一部の結界を壊すだけですんでるんだから。
だってさ~、襲撃されたことがこっちに伝わるまでにどのくらいかかったかわからないけど持ちこたえていたことになるんだから。
なんて思っていたんだが、なんか嬉々としてアリスとかおっちゃんらがちょいちょいと放り投げて倒していく。
う~ん、ちがうなぁ~サクサク?
まぁ、そんな感じだ。
積みあがるちょっとグロテスクな山をおいて、町の中に入る。
『シュロゲーは?』と、ばーちゃん
『あ!陛下!!シュロゲー様はここにはいません。塔の建設予定地です。私らは逃げ遅れて・・・』
『よく頑張ったね~もう大丈夫だよ。安心おし。』と、にっこりと笑って見せた。
それだけで、悲痛な感じで戦っていたのだろう民は脱力しその場でへなへなとへたり込む者さえ現れた。
怪我人にはシロタエとマジューカが治癒魔法かけたりして治療していく。
シロタエはそれに加え適当に材料を集め出しスープを作り出す。
ホーリィは、散らかったモノを軽く片付けながらシロタエのフォローについてスープを民に配りだす。
それを驚きつつすする民たちはホッとした顔になった。
暖かい食い物は、心も温めるものだ。
ちゃっかり、マジューカもスープを飲んでいたが・・・ホッと上気した顔がまた・・・・怖い方と言う噂と違ってなんというか~。
それを見た後。
『こっから、私らの出番だよぅ。分かってるね!バカ息子共!!!』と、怒鳴る
『はいはい』
『あんまり気乗りしね~なぁ~、でも、終わったら魔獣の肉で美味いものが喰えるんじゃないかなぁ~?どうなんだ、坊?』
そんな声に、ガッツポーズをとるシロタエを見たわしは。
『おう!せっせと倒して。ちゃっちゃと終わらせよう。』と、誰かが言いそうなセリフをわしは言う。
ニヤリと笑うエンガクを伴って町の外に出る。
残って外で戦っていたアリスは大暴れのおかげで魔獣の大半は逃げの状態になっていた。
まぁ、それを後ろから狙撃しまくっているクロがちょっと怖く感じたのはわしだけだろうか?
魔獣は、結構いろんな種類がいる。
胸鰭が小さな鳥の羽になっているサメのような生き物。
まぁ、こんな小さな羽では空なんて飛べないので魔法なのかそういうものの力なのだろう。
海に住むサメの様な動くで襲いかかってくるから厄介なんだよね。
大きさはさまざまだが5メーテぐらいは確実にある。
サメ肌は健在なので、擦られるだけで鎧が火花を散らす、肌にじかに触れられればどうなるかは察してくれ。
豹やヤマネコ、虎のような姿だが巨大な犬歯を持ちたい体躯もかなり巨大な連中が何種類かいた。
俊敏でこちらの隙をついて爪で切り裂き牙を突き立てようとする。
イノシシのようだがあちこちに毛が変異したのか棘が生える存在がいるが。大きさ自体がおかしい先の空飛ぶサメなみの大きさは軽くある奴らが突進してくるのだ。
黒い巨大な牛の様な存在は、全身に硬質な装甲のようなモノがついている。
重量感が凄まじい。それがフェランクスを組むように密集して進軍してくるのだ。
通過されたとき残されているのは無残に踏みつぶされた敵だけだろう。
そして、巨大な馬のような姿でその頭に強大なシカのような角をはやしている魔獣で・・・言うなれば、ウマシカだな。
誰だ馬鹿とか言ったのは。
目の前にいるこいつら見ながらそんなこと言うなんてもの凄い余裕だな。
・・・・わしも、思ったけどな。
まぁ、他にもいるがそんな奴らが群れていた。
町の周辺はあらかた倒した。
そして。
威嚇の咆哮を誰かが上げた。
見たらエンガクだった。
総崩れになった上に、強烈な捕食者が新たに現れたことを知った魔獣達の戦意はない。
町の結界を直し。
棟建設地に向かってみよう。
あの塔を作り上げるための建材は巨大な魚の上の廃墟の資材と魚を構成していたモノの一部だ。
かなり頑丈なはずなので、そこに避難していれば耐えれているだろう。
いや~、魔獣があふれてる~
なんでこんなにいるんだろか~?
お祭り??
いや、血祭りか。
わしらは、サクサクと魔獣を倒しながらおっちゃんとばーちゃんを先頭にして進んでいく。
楽過ぎだなぁ~と言いつつも、エンガクやアリスとクロはそれに加わって暴れまくっている・・・
そんなにストレス溜めてたのか?
その後ろについて、何事もなかったように歩くマジューカさん。
今はこうですが、どこから出したのか?毒々しい花が噴き出すた毒で魔獣を融かしたり、同じような花なんだけどギザギザの歯が花びらについていてガブリとかやっていたり、ぶっとい蔓で締め上げてそのまま殺していたような気がするんですが~
どうにもみんな生き生きしてて・・・わしちょっとひいちゃうよとか言いつつホーリィに抱えられてシロタエと一緒に進んでいます。
シロタエは、馬鹿なほど無理をしたおっちゃんに回復魔法をかけてあげたりしている。
それが、更に無茶を重ねる要因になっているんだが・・・ほら、『やった~、シロタエちゃんの愛が来た~!!』とか、言ってるし。
まぁ、やりすぎるとばーちゃんに後ろから思いっきり蹴られて吹っ飛ばされている。
もちろん魔獣のいる方向にだ。
魔獣に当たったおっちゃんは魔獣達を木っ端みじんに打ち砕いたりしてるんだが・・・・『いってぇ~よぅ~かーちゃん~』とか言いいながら血まみれで何事もなかったように立ち上がるおっちゃんの頑丈さにはキモいやら呆れるやらなんだよなぁ~。
塔に着いてシュロゲーと建築に携わっていた者達を救った後。
何があったか確認する。
『巨大な魚がいなくなった為に、周辺の強い魔獣達がテリトリーを広げようとしているようで。』とシュロゲーの話だった。
その強力な魔獣は何匹かいるようで。
まぁ、そいつ等を倒せばこの騒ぎがおさまるってことだ。
しっかし、ここに来るまでにホーリィに抱かれたままだったけどしっかり死体の回収と魂の回収はしておきました。
魔獣の魂は強さによってだけどいいものもあるようだけど、あんまり価値がない方が多いようだ。
まぁ、わしとしてみれば価値なんかより数だから、それが無いと配下の者達を魔王にしてやれんからな。
あんまり働かないで大きな利益、プライスレスだ。
さて頑張れよ~、わしをもっと楽にしてくれ~