ゴブリンキングの馳騁 その9 | つらつらとおもんみるに・・・   ガブちゃん日記Ⅳ

つらつらとおもんみるに・・・   ガブちゃん日記Ⅳ

いろいろ思いついたことと、ペットの亀の話

傷は治った。
朝飯もうまい!!

なのに・・・
なぜか正座している。

わしの前にはホーリィ。
右にはエンガク。
左がシロタエ。

三人とも機嫌はよろしくない。

ホーリィに至っては涙目だ。

どうしてこうなった?

そして、おもむろにホーリィが
『もしかして、あなたは、あの大魔王も妻にする気ですか?』

うんうんと頷くシロタエとエンガク。
どうやら怪我が治らないうちはそれが心配だったらしく、気にもしてなかったみたいなんだが落ち着いたら急に不安になったのだそうで・・・

『え?何のこと?ほわ~ぃ?』と、わし

『私はこの二人のことも正直認めているわけじゃないんです。あなたにとって私が一番でなくては・・・』と言ったところでボンッという音と共にフリーズするホーリィ。

『マジ?』とエンガク
『おやおや』と、笑うシロタエ

フリーズが解け暫くモジモジしているホーリィ

『勿論、わしはホーリィが一番好きだぞ。』ホジホジ(当たり前でそ?)

その後ホーリィが壊れてこの会は終了となった。

ちょっと思い立ったことがあったのでリガスとモースのところに遊びに行った。
わしの考えを言ったら、そんなことは無理だと即答された。
そか、お前らでも無理なのか・・・
だったら、この王冠をなおしてくれた魔王ドブルクの所に行ってこようと話したらこの二人が喰いついてきた。
つまり、一緒に行かせろと。
目をキラキラさせながらわしを見つめる二人のおやじ・・・キモいな。
わしはダニーに箱舟の手配とメアリーにメイド2人と魔法のつかえる秘書さんを手配してもらう。

箱舟がリガスとモースの鍛冶場に着いたときのおっさん二人のはしゃぎようったらなかった。
例のフレグランスな香りと服装もスタイリッシュなものになってるし・・・お前らそれで魔王ドブルクに会うのか?と聞いたら・・・『グヌヌ・・・せめて着くまでは・・・・』とか言ってるから。
いつものカッコで自分の道具も持って行ったらどうだ?と言ってやった。

テキパキと荷造りするメイドさんと各種手続きや運航に関する様々なことを行っていく秘書さん。
でさ?
何でお前らまでいるの?
『当然でしょ、そんな面白そうな話』とメアリー
『あってみたいです。ドワーフの始祖。』とポー
『魔法の武器防具かねめのもの見てみたい』とダニー
『私も会ってみたいノダヨ』と機械公

こんなに大勢連れて行って機嫌損ねないか?
もしくは怒って会ってくれない可能性は?
様々なことを考えながら箱舟は魔王ドブルクのもとにつく。
ぞろぞろと入る皆の者。
迎えてくれた魔王ドブルクは、不機嫌そうだった。
ダニーとポー、メアリーは転がっている魔法の防具や武器を見てかなり驚いていた。
その武器や防具は一つこの世界に出回るだけで世界のパワーバランスを崩すようなものだったからだ。

『で、こんなに大勢で何しにきた。』と魔王ドブルク
『あ、ドワーフの始祖ドブルク様お初にお目にかかります。私は、あなたの末裔の者で、リガスと申します。』
『ほう、鍛冶師か?』とじっと見た後で『で、その横のは?』
『わ、私はモースと申します。』ガクガクと何故か震えるこいつ体が大きいからちょっとじゃまだ。

『で?』と、魔王ドブルクはわしを見る。
『あることを頼みに来た。頼みというのはな、・・・』と、わしが、言ったとたん。
『ほう』と魔王ドブルク
『それは面白そうダネ』と機械公までのってくる。
『出来るか?』と、わし
『ふむ、面白そうだ。出来ん事は無いだろう・・・そうだ、お前たちも手伝っていくか?』とリガスとモースを見る。
『へい!』
『だっしゃ!!』
とか言いながら二人は自分の道具を取り出した。
『私もいて構わないだろウネ』と機械公もアーカイブを開きながら同意を求める。
4人はひどく悪い顔で笑って強く手を組む。
わしはそんな暑苦しい光景を見させられた。

矢継ぎ早に質問をするポーとメアリー。
商談を~取引を~とか叫ぶダニーを引きずるようにして箱舟の方に連れて行く。
連絡とか必要なものの手配とあいつらの面倒を頼むとメイドと秘書に任せて箱舟に乗る。
『せめて一個だけでも~』という誰かの声を残して、わしはこの地を去ったのだった。

何を頼んだのかはここでは言わない。
成功するかもわからない話だからな。
まぁ、そのうちわかるだろう。

城に戻ったわしはアリスの部屋に・・・わしを見たクロは少し意地悪な顔で笑った。
アリスは白い貫頭衣を着ていたが裾の丈がかなり短い。
『クロこれではおかしくないか?短すぎではないか?』とアリスの声が聞こえた。
『い~え、お見合いですよ~』と、わしの背を押してアリスの前に押し込むクロ。

わしの姿を見たアリスが一瞬固まるが彼女の持っているコーマの影響かすぐに落ち着き自身を見せつけるようにポーズをとる、その長い脚が自慢なのかアピールも忘れない。
こいつの性格に影響を与えているのは傲慢のコーマ他のコーマを持っているのか数は?などはまだ聞いていない。
膝上かなり上までしかない丈で足の大部分は見えている。
こいつはその大柄である体もモデル体型であるから何というか迫力があるんだよな。

黄金の目と青い髪も何というか・・・まぁ、そういうことはいいから。

『アリス、暫くついてきてもらう。』
『あ、はい。』ちょっと我に返ったのか素に戻るアリス
急にオドオドとクロに視線を飛ばすアリス。
どうにも動揺が果てしない。
クロも一緒に来てもらいたそうにしていたが。
『ではいってらっしゃいませ!』とクロは丁寧なお辞儀と共にアリス共々わしごと部屋を追い出す。
閉まる扉の隙間から意地悪い笑みを浮かべるクロが見えた気がした。

『という事で、いろいろ回るのでついて来てもらう。』ともう一度言うと観念したのかアリスはついてくる。
城下町を回りながら、気のよさそうな野菜売りの店の前を通り過ぎようとした時、少し歳のいったゴブリンの女が声をかけてくる。
少し太ったそのおばさんゴブリンは近くの農場で採れた物を売っていた。
『王様今日はトマトが、おいしいよ。』
『おう、二つ貰おうか。一つは、あいつに。』
『これは?』
『野菜だな。でも、甘くてうまいぞ。』と、わしはかぶりついた。
『うぶ』食べ方が下手であちこちに汁をまき散らしているアリス。
それを見て笑うゴブリンおばさん。
豪快な笑い声につられ集まる様々な種類の者達。
そろ~りと近づく影。
それをわしはつかんで止めて
『おい!キッズ達。このねーちゃんは大魔王だ。お前たちが今しようとしたことで怒らせたらこのフォロボスごと吹き飛ばされるぞ。』
その大魔王はゴブリンおばさんからタオルを受け取り飛んで着いた汁を拭いていた。
『すまなかった。』とタオルを投げ返すのを見て、わしは長い脚に触る。
『うひゃ』と飛び跳ねるアリス
『な、なにを・・・・』
『投げんな。』
『はい、投げてすまなかったな!』と、ふんぞり返ってゴブリンおばさんに言ったのを聞いて再び
『ぴゃっ、何を』
『偉そうするな。』
『はい、すまなかった。』
『おやおや、何だいこの堅物さんは。』とゴブリンおばさん
『ああ、うちの配下になったんだ。』
『ふーん、新しい嫁かい?あんたも好きだね~』
『ん!な!』とアリス
『何のことだ?』と、わし
『まぁ、私にはあんまり関係ないけどさ~ホーリィちゃんを泣かせちゃダメだよ。』とちょっと怖い顔をして見せるゴブリンおばさん
『だから何のことだって、こいつはわしを守る騎士をしてくれるというだから町を案内してるんだよ。』
『いや~デートかなぁ~っと』ニヤニヤするゴブリンおばさん
『そ、そんな事は無いのだ・・・絶対だ。・・・・』とアリスなんで、ゴニョゴニョ言ってるんだ?
暫くくだらない話をしていると集まってきた者達、興味があるのか手を上げてるものがいる。

うむ。
まぁ、いいだろう。
教育も含めて質問に応えさせてやる。
その度に威嚇したり、『貴様らに話す必要はない!』!とか言ったりするたびに太ももを擦ってやる。
飛び上がるたびに教育的な指導をする。
まぁ、質問と言っても。
『なんで目が金色なの?』
『髪が青いのは染めたの?』
『スリーサイズは?』
『好きな男性のタイプは?』
ぐらいだった。
それに対してアリスは教育的指導を受けながら
『魔界では金色と赤色の目は魔力に恵まれたもの呼ばれて、何故か恐れられている。生まれながらなので、何故金色なのかはわからないが・・・誇らしいことだと思う。』
『これは地毛だ。魔界でもそれ以外の意味はない。』
『それは、内緒だ。』ちょっと、自慢げなポーズをとって見せつけながら言ってるとこ見るとまんざらでも無いのだろう。
自身があるのかな?
『私を倒すことのできるものだ。』とか言ってた『恐れを知らぬものはいつでもかかってくるがよかろう。』すかさず教育的指導『殺すなよ。』『ゔ!』とかいう会話があった。

ミノタウロスキングの所でホーリィの姿をした灯台を見せる。
勿論パンツのできも解説してやる。
『なるほど、王はこのようなモノが趣味か・・・』
『いや実際にはいていたのを参考にしただけで・・・』
『ほうほう』
『ぐ~ぜん、めくったらこんなの履いていたんだよ。』
『・・・・』白い目が・・・

ミノタウロスキングに会ったアリスは威圧しまくっていた。
教育的指導をすると理由を話した。
『なんか、いじめたくなるんです。』だそうだ。
ガクガクブルブルしてるかと思ったら半分気絶してたミノタウロスキング。
やっぱ弱いんだよねこいつ、バフォメットに選ばれた王とは思えないほど。

その他の町を回り、城に戻るとき
『お前はわしを守ると言ったな。』
『はい。王を守るこれが私の役目。』
『ふむ、ならば今日見た民も守れ。』
『なぜ?民も家来も強者の前に湧いて出る者。王たるあなたさえいれば国ある。』
『うむ、わしもそう思っていた。だがな、わしはわしの民に王にしてもらってるんだ。だから、わしを守ることは民を守ることなんだよ。』
『ははは、流石です。私にあなたの飛び地の全てに住む民を守れと。』
『わし変わってるんだろうな。』
『変わってますね。魔族も竜族でも人族の王にも強者が弱者を虐げるのは当然と考えるのが当たり前と考えるものが多いというのに・・・』
『そうだよな~なんでだろ?わしも前はそうだったんだよ。今は違うのだが・・・ダメか?』
『いえ・・・よくわかりませんが好ましいとは思います。』笑って見せた。
その顔には固い決意のようなものも含まれていたような気がする。