龍の国に来た。
聖樹のふもとで焼肉大会だ。
まだ肉はある。
無くなったらまた獲りに行けばいいだろう。
まぁ、そんな相手がいればだが。
ほれほれ食え食え。
焼け焼け食え食え。
飲め飲め食え食え。
こっちのものたちは体が大きいので食うなぁ~。
まぁ、ドラガークが増えるんだろうなぁ~。
そういえばサハギンキング達は簡易的な港と小さな船を作っていた。
海の許可はある程度取れたらしい。
龍達と海龍達の対立関係なんかもあるんだがその辺はうまくやってくれたみたいだ。
感謝をこめて食事を勧める。
人族の元海賊連中もよくやってくれていたみたいだ。
こっちは人族用の食事を振舞う。
エイザーやドワーフ、エルフなんかは人族用のものを食べてるんだけど。
遊びに来てたドラゴニュートさんや龍の皆さんは普通に魔王や悪魔、魔獣、魔神の肉を食ってた大丈夫なんでしょうか?
フォレストドラゴンさんも食べてるんだけど・・・・いいの?
変な存在変化しませんように・・・。
シロがちょっと小さめのゴブリナやコボリナの混じったゴブリン・コボルトのお子様集団を引率していた。
遠足がてら聖樹を見に来たみたいだ。
その内こちらのドラゴブリンにも神の教えを広めるのだそうだ。
シロはえらいなぁ~、なでなで。
こっちにもコボルト達が住み始めているのも原因なんだけど。
シロタエだと神様が龍になってしまうのだそうだ。
シロが信じてるのはコボルトの神様。
教義が微妙に違うんだそうだ。
でもね~ドラゴブリンにはどうなんだろう?
わしらゴブリンにもゴブリンの神ってのがいるんだが・・・いい加減な神様なので、わしが存命中にゴブリンジェネラルが生まれちゃったりしてるのが証拠。
そのせいで、うちにはジェネラル種は生まれなかったりしてるんだよね。
でも、神殿もあるしないがしろにはしてない。
信じてるゴブリンも多いしね。
つまりね、ドラゴブリンはドラゴンブラッドを受けたゴブリンなのよ。
教義にひかれるとすればゴブリンなのね。
でも住んでいるこの国は龍の国なのでドラゴン側でもいい。
まったくの自由なところにコボルトの教えってどうなんだろうね?
ゴブリンとコボルトの神様の教義がそれほど変わらないので親和性があるため結構するりと認められちゃってるのと、わしという神の意思?の代行者が顕在してるためその両方が国政にまで入ってくることはない道徳の一部としてならありうるが・・・神の意思だ~!!とか言って政治なんかが行われることはないのだ。
ホジホジ。
そんなことあったら。
ホントにあの神様殴りにいくしかあるまい。
龍の神様がどんな存在で、国政も左右する方ならちょっと困るけど・・・。
まぁ、考えるのはやめよう。
出来れば彼らにはゴブリンかコボルトの神のどちらかにしてほしいなぁ~そう思いながら。
盗み食いをしようとしたドラガークの額に気闘法を練りこんだハナ○○を打ち込んでやった後。
肉を焼くのを続けることにした。
ん?
あれは???
マイオ・・・・・さ・・・・・
突然こっちをにらみつけて
マ・イ・オ・ち・ゃ・ん
と口を開いて威圧してくる・・・・いえ訂正ですよね。
はい、間違えてました。
まだいるんだあの人。
って、料理の出が悪くなったと思ったら・・・
シロタエがマイオちゃんに捕まってた。
ういやつういやつと頭をなでられていた。
まぁ、彼女からすればここにいる龍なんか全部赤ん坊と同じだからなぁ。
ヨチヨチいい子だね~って感じなんだろうけど。
見た感じがそう見えちゃうよね。
ちょっと嫌なような迷惑な様な顔をしてるが逆らえないご様子、だよね~。
お酒を注いだりしているシロタエ、がんばれ~。
エンガクも左側に配置させられている。
時々そちらも頭をなでられたりしてるとこを見てるとほほえましいんだがなんだか・・・・・でも、まぁ、逆らえないんだろうなぁ~。
見なかったことにしてやるのも武士の情けとか言うものなんだろうな。
ホーリィがさらに呼び止められてマイオちゃんと向かい合って座ってなにやら話し込んでいる。
なにあれ!
あそこ、ものすごく怖いんですけど。
いけないオーラがあふれてるんですけど・・・・
最終的にわしに向かってる様な気がしますが?
わしは寒気と急に回りの空気が冷え切った気がしたんですよホントに。
4人が時々殺気めいたものをこちらに飛ばしてくるのが・・・・やめてもらいたいです。
そういえば、ニドヘグ対策兵器はどうしたかなぁ~と、見に行くと・・・・
まだ、なんか作ってる最中でした。
間に合うのかな?
近くにいたオートマータに聞いたら完成度は60%だそうだ。
『足なんて要りません!』と良くわからないことを豪語してるのはこのオートマ-タの仕様なのか?
ちなみにこいつ自体には足がありました。
スカートをめくって確認したから間違いない!!
その後わしは穴だらけにされたが・・・・
そんな充実?した宴も終わり。
次はミノタウロスキングのとこだ!と帰ろうとしたとき。
ある話を聞いた。
前に加勢に行ったときなにやら影響が出たようでこのような者が・・・とある者につれられてきたのはなんと、ドラゴブリンの女に抱えられた赤ん坊だった。
『あらかわいらしい。』
かわいい人の幼子の顔をした・・・ドラゴブリンの子・・・・ん?
ゴブリナだ。
ふむ、この子の両親が良いというなら預かりたい。
と、伝えた。
後数日で歩き出すであろう。
彼女の扱いにちょっと困っているのだろう。
この子が始めてのゴブリナだしな。
すぐにわしに預ける話が進んだ。
ドラゴブリナってとこだな。
わしぐらいの大きさ赤子は明日にはわしの大きさを超えてしまうだろう。
『おも~いかわいい~』とかわるがわるホーリィとエンガク、シロタエがかわるがわる抱いているが・・・
まぁ、こいつらなら巨大なドラゴンでも軽く抱くんだろうが・・・
お~よちよち~がぁおおおおおお!!って感じか?
まぁ、いいだろう。
見ないことにしておこう。
面倒を彼女らに任せて、ゴブリン城に戻り。
ミノタウロスの国に行く準備をしていたら・・・
『おっさん勝負だ!!』と、後ろから声をかけられ襲われたので床にめり込ませてやった。
お分かりだと思うがエッジだ。
エッジは両親の教育?が良かったらしくメキメキと成長し、今やホブゴブリンになっていた。
でも、赤銅色の肌と赤い髪そして白のメッシュが少々。
そして生意気なブラウンを含んだ赤い目と両手の甲のの紋章はそのままだった。
しかし細マッチョで顔もどちらかというとゴブリン顔ってよりエルフに似てる。
つまりハンサムだってことだ。
上半身はランニングだけ。
下半身にはプレートメールの丸々下半身のみを装備。
武器は両手にツーハンドアックスの柄を短く改良して片手で持てるようにしたものを2本。
あとで、上半身の鎧はどうした?って、聞いたら。
斧を振るうとき動きにくいのと崖から這い上がるとき動きの邪魔になるから捨てたのだそうだ。
と、まぁ。
今、そいつは床にめり込んでいるんだが・・・
その後。
復活!バコン!ピクピク!を100回ぐらい繰り返した後。
復活!!どばばばば・・・とファイヤーボルトとかいう炎の魔法を横から多量に食らって壁を破壊してエッジがおとなしくなった。
やったのはカリンだ。
ズカズカと壁の穴に倒れたエッジに近づくカリンは・・・
『・・・・・・・まだ・・・・・・・・生きてた・・・・・』
どばばばばばばばば~っと、その場で再び魔法を連射した。
『いた!いたた!!ひで~よカリンね~ちゃん!』
『・・・まだ・・・・か・・・・』
『俺、火と雷に耐性あるの知ってるだろ?でも、すげ~痛いんだからね。』
『・・・・・なら・・・・氷結・・・・』
『やめて、死ぬからほんとに!!』
わしは赤エルフの青ざめる顔ってそのとき始めてみたんだが・・・・
エッジの両親が到着し、カリンの師匠であるマツハもその場に来た。
なんだろう?
『カリン様壁に穴を開けるのは歓心致しませんね。今度やるときは安全な場所で外であることをお勧めします。そしてエッジ様いくらふざけているにしても床に穴を開けたり壁に穴を開けたりするのは万死にあたいします・・・お気をつけを。』とクロイツに言われ。
『・・・・・わかった・・・・気をつける・・・・今度はエッジ・・・・だけ・・・・・・』とちょっと物騒な言葉が混じってる気がするんだけど申し訳なさそうにシュンとした。
『ちょ、ちょっと~俺?床も壁も・・・俺なの?』とエッジ。
話が進まないなぁ~と思っていたら。
カリンが修行のために例の冒険者のもとに行くことにしたという・・・それに、うちのエッジも護衛兼武者修行についていくのだそうだ。
『・・・・・・邪魔・・・・・・』とエッジの足を踏んでいる。
『鎧だから効かないね~へ~んだ。』とエッジ。
そうなんだろうなぁ~せっかく冒険者の仲間として頑張るつもりだったカリンにしたら子守りもしなくちゃいけなくなったってとこなんだろうなぁ~。
その許可をもらいに来たんだろう。
いいだろう。
力をつけて帰って来い!!
まぁ、旅の途中で家によるのも忘れるなよ親や師匠を喜ばせてやれと付け加えておいた。
二人は喧嘩しながら期待に胸を膨らませての旅に出て行った。
その二人を見つめる親と師匠の不安そうにしている背中をわしは見ていた。
歩けるようになったドラゴブリナにサワと名づけた。
サワは中庭でスパークやティーカップオークたちと遊んでいた。
いつものように胸にの飛び込むようなジャンプをしたスパーク。
それを受けたサワは尻餅をついてしまったのだ。
『いった~!』とちょっと涙目になるサワ
申し訳なさそうに上目遣いで謝っているのかピ~っと鳴くスパイク。
カリンでももっと小さい普通のゴブリン子供でも倒れないほどの力だったはずなのに。
抑えられなかったのだ。
心配して離れたスパークに
『だいじょ~ぶらよ~』とかサワが声をかけている。
なんだなんだと集まってきたティーカップオークの一人がサワによじ登りながら『だっこ~』と言っていたらワラワラと自分も自分も~とよじ登られてしまった。
サワはそれだけのことでひっくり返ってしまった。
仰向けに倒れたサワに不思議そうな顔をしながら遊びだすティーカップオーク。
それに加わるスパーク・・・・
わしは、なんだか不思議に思って、ポーに声をかけアーカイブで見てもらう。
それを覗き込みにきたメアリーが・・・・
『なにこれ!』とその後絶句した。
『この子は本来生きられない子だったってことですかね~』とポー
とにかく説明プリーズ
つまり、本来は死んでしまう子。
死産で生まれてくるはずの子・・・・
しかし、体と生命力を強める作用のあるドラゴンブラッドの効果のせいで生まれてきてしまったってこと。
これから先もいろいろ問題が多そうな子であることは間違えない。
・・・・・なんだけど。
この数値はホント?って、ポーに聞くメアリー。
『そうなんですよね~魔力が異常に高いんです。』とポー
そんなとこに旅に出る前に挨拶に来たんだろうカリンが倒れて動けないサワの元に現れて動けずウゴウゴしているサワの手をとり上半身を起こさせると。
起きる際にぽとぽとと落ちるティーカップオークを起こす手と反対の手で助けあげるカリン。
『・・・・・・・大丈夫?・・・・・?!』と、無感情な彼女がちょっとジッとサワを見た気がした。
『はい!だいじょびゅ』とサワ
そのアニ声(なんすかそれ?)でロリ声(どういう声?)なサワ
あわてて言い直そうとするんだけど
『だいじょびでし』と、なんかさらに痛いことに
でも、薄く笑うカリン・・・そして・・・優しい声で
『・・・・・・・がんばれ・・・・・・』
胸の前で両手を握り締めるポーズをした。
『はい、がんばりまし』とサワも同じようなポーズをして立ち上がった。
そして、手を振りながらカリンは涙ぐむティーカップオークやスパークとしばしの別れをして走っていくカリン。
残されたサワも軽く手を振って見送った。
う~ん?どうしたらとアーカイブを覗きながら呻いているわしとメアリー、ポーをよそにアーカイブを見て小さなため息をして中庭に向かうマツハ。
マツハはカリンを見送るサワの背中に声をかける。
『・・・・・・・サワ・・・・・・・』
『ひゃい』
『・・・・・・・・・弟子・・・・・・なれ・・・・・・』
『え?何のでしか?』
『・・・・・・私の・・・・・弟子・・・・・・・魔法使い・・・・・なれ・・・・・・・・』
『でも?私弱いでしよ』
『・・・・・・弱くない・・・・・大丈夫・・・・・頑張れ・・・・・・さぁ。・・・・・』と右手を差し出した。
もう立ち上がった姿では少しマツハより小さいだけのサワ。
サワはつられて手をつかんだ。
カリンが強くなりに行った。
そして自分も強くなる必要がある。
そして強くしてやりたいと思う新たな弟子を見つけたマツハは、またこれからも強くなるんだろうなぁ~などとわしはそっと思った。