●いつもの個人的な覚書 ~犬椎間板ヘルニア~
いつもの13-1間の椎間板ヘルニアではなく、今回は12-13間の椎間板ヘルニアのヘミラミ
しかも、得意の左側ではなく右側と二つの悪条件
深部痛覚を消失しており、受傷後38時間経過とリミットの48時間まであと10時間
今回のポイントはそんなところ
それぞれ、解決するために今回は変則的な方法を用いた
覚書なので、以後精査する必要あり
① 立ち位置の変更、及び移動を多めにして得意なパターンに持ち込む
右側対策ということで、今回は立ち位置を反対にした、自分は立ち位置を変えるぐらいのであれば、姿勢を変えて同じ立ち位置を好むのだが、肥満体質で皮下脂肪が厚く姿勢を変えるだけでは視野が狭いであろうという判断だった。
② 12-13椎間対策として、アタックは13-1椎間を先行
12-13椎間って正直見ずらい、真っ向からそこを狙うと位置がずれる可能性があるため、造窓する13-1椎間を先行した。12-13椎間はヘミラミを行うのだが、まず間違うことのない13-1椎間を先行して、そののち、椎体周りの筋肉をはがしていきその一つ前をやれば間違いは起きない。
③ 時間、及び軟化症対策としてパルスを行う
外科やる時は大体パルスを併用するが、今回時間がぎりぎりなので、パルス3回やる時間(6時間)を待つかどうかが問題となった。パルスは嘔吐する可能性が高いため、術中にやる勇者はいないだろう。(点滴に混ぜるというやり方もあるらしいが、怖いのでパス)とりあえず、経験上パルスをやっている時間は48時間制限がある程度抑え込めるというか、この48時間制限は無治療でのデーターなので治療開始した以上ある程度の余裕が見込まれるはずである。
④ 最後のひと押しを針で行う
椎体を削って行き脊髄神経を開けるところで、自分は良く注射針で椎体を静かに刺し残りの厚さを測定するが(思いっきりやらないでね絶対に、しかも何回もはできないよ)今回はそのまま注射針でひっかけて開けることにした。ええ、諸角先生の方法の応用です。ぎりぎりまでやれば何とか開けられるので、それで脱出した椎間板を除去することにしました。
あとは、細かいコツはいつもどおり。多すぎて書ききれない。
今回考えて行ったのはこれぐらい。
今にして思うと、安全対策がほとんどだなあ。
たぶん、その時の心理状態としては
最近調子がいいから、それがゆえに油断して大ポカをやらないように
って、考えていたんだろうなあ
いつもながら、ネットに載せてもヘミラミ手術やっている人以外全く面白みのない内容
師匠からみれば、そこまで用心しなくてもいいといわれそうな内容ですが、安全第一、手術は執刀者それぞれの個性やペース、リズムがあるのでそれを守らないといけません。
最近執刀ばっかで助手に入ることはないのだけれど
呼吸確認!心拍数は?
麻酔は?
血圧は?
時間は?
なんて、ちょくちょく助手の人に聞いてはイラつかれるのですが(だって、全てのモニターは執刀者が一番見やすいようにセットされ、助手は案外見にくいため、自分で見ろよと思われる)
手術中も意識の端でずーっとモニター見ているのですが
誰かほかの人にも確認してもらってそれで、調子を取っているということもあります。
正直経過時間とか全く時計を見なくても数分の誤差で大体当てられるしね。(外科やる先生はこれができる人が多い、だから、一般生活でもうざがられる。だって、これこれやるのに●●分かかっていたね、遅いよーとか言っちゃう。うざいでしょ笑)
ともあれ、今回のポイントはこんな感じ。
反省点はこれから出てくるだろう
全て回復度合いにかかっているので、経過観察が必要
あと、パルスもね 笑
恐怖と虚しさ
あーやっと手術が終わった。
疲れたなあ。
今日は椎間板ヘルニアの手術
脊髄に直接触れるのに、その直前までドリルで掘り進むという、ワイルドかつ手技が必要とされる手術なのですが、まあ、今回は最近にないぐらい奇麗に終わった。
でも、調子がいい時って無理することがあるから気を引き締めないとね
タイトルがこんな感じなので、失敗したの?と心配されそうですが(笑)
残念ながらうまくいきました♡
タイトルの意味は手術中と手術後の感想
手術中はとにかく恐怖に打ち勝つこと
それが肝要です
特に自分の場合、小心者なので慎重に慎重に進めます。
安全第一、良い言葉ですね
そして、大きな手術の後には何時でも一応確認の電話を入れます
「御苦労さま」
「ありがとう」
人それぞれですが、皆さん労わってくれたり、感謝してくれます。
どうでしょ、やりたくなるでしょ♡
でも、たまに(大体飛び込みの方が多いのですが)
「お金出しているんだから」
「プロなんだから成功して当然でしょ」
なんて、言われることもあります
というか、誰でも成功するのなら、皆大喜びで手術するよね
難しい手術の場合、成功率を10%引き上げるのにどれほど苦労するか
10%なんていいほうで、ほんのちょっと成功率があがるような事は全部やる
そして、本番に臨むのですが・・・・
手術って、治療って
そんなに簡単なことじゃないんだよ
お金がかからないように、色々気を使ったり
飼い主さんを気遣って、誰のせいでもないよ・・・とか言ったりするのですが
良心的にやっても、分かってくれる人、分かっていただけない人がいます。
でもね、うちに来る患者さんは本当にいい人が多い (泣けるほどいい人揃い)
だから、明日、来院してくれた患者さんたちに癒してもらおう・・・
たまに思うのですが、自分は治療しながら、自分も治療されている、癒されていると思うときがあります
決して、一方方向のつながりではないんですね
お互い、助け合っている。
自分が癒しているのではなく、お互い癒されている
そう感じる時、ちょっとうれしいです
いつも、そういう治療をしたいなあ
椎間板ヘルニア ~最近こればっか~
定番のダックスの椎間板ヘルニア
48時間以内という制限もあって、大体受傷したその日に外科するかどうか決断しなきゃならないのですが、問題は外科ができる先生が少ないこと。
いや、正直難しい手術ではあるんですけど
人間と違って脊髄神経を開けなきゃならないのが最大の問題なんだけど
でもねえ、地方とか県単位で出来る人が数名しかいない。っていうのはどうなんだろ?
ヘミラミ(椎弓切除術)って言っても、術式は確立されている訳だし、チャレンジする勇気があれば覚えられるんだけどなあ。。。
このあたり、最近の医療裁判の絡みで新しいこと、難しいことにチャレンジするのが難しくなっている弊害なのかな?
ともあれ、獣医さんがもし見ていたら、こっそり一言
「やれるようになると、評判上がるよー」
「患者さん、涙流して喜んでくれるよー」
正直、紹介症例で外科やってくれっていうので一番多いのがこれ
遠くからでも駆けつけてくれる
それで、うちは何とか食っているわけなんだけど
(うちは紹介外科で食っているような病院、田舎ということもあって、内科はほとんどお金にならないし)
ともあれ、今日も手術
いつもながら、絶対とは言えないけど
絶対と心に言い聞かせてやる
がんばろう
(こうして、休診日というか休日はつぶれていきます♡ でも、楽しいなあ。 そして、ごめんね 妻)
