最近知ったのですが、今年のASCO:米国臨床腫瘍学会で下記発表があったようです。

予防的な頸部リンパ節手術で早期口腔がんの生存が改善

早期口腔がん患者に関して、リンパ節転移を発見してから郭清するよりも、予防的に郭清しておく方が生存期間を改善できる、という内容。

んー、自分は転移を発見してから(小線源の3ヶ月後)の郭清だったし、何よりも、術後に著しくQOLを落とすものなので、微妙な結果ですね。
せめて、「早期口腔がん患者」と大雑把なくくりでなく、部位やT分類ごとのデータを出してもらいたかったです。
(T1とT2では改善の度合いが違うと思うので..。もしかしたらT1は変わらない、とか。 更に、発育様式、深達度、分化度などとの関連性もわかればなお良し)

ちなみに、日本の現状はというと、、、
ガイドラインにあるように 「統一した見解が得られていない」 状況です。
(自分も、前の病院と今の病院では見解が違ってました。ちなみに T2)

口腔がん診療ガイドライン    第5章 頸部転移巣の治療 の
  ・3 頸部郭清術の適応
  ・CQ5-1 N0 症例に対する予防的頸部郭清術はどのような症例に適応されるか?

CQ5-1 の解説を読むと、この場合はこうした方がいいと具体的に書いてありますが、推奨グレード C1 ということもあり、実際は現場まかせといった所のようですね。

  ※推奨グレード C1 :十分な科学的根拠がないが,行うことを考慮しても良い
          (A:行うよう強く勧められる、 B:行うよう勧められる)


頸部リンパ節郭清についてはいろいろ疑問があり、また別の機会にその辺り書きたいと思います。

※余談ですが、記事中の
「喫煙とアルコールの過剰摂取が口腔がん診断の90%の原因であると推定されている」
は納得いきません。 どこの話?? 

8月に刊行され、目に留まった本。
  
がん幹細胞の謎にせまる - 新時代の先端がん治療へ   山崎 裕人 (著)
 
⇒ がん幹細胞の話から、がん研究の近代史、最新の研究成果まで、わかりやすく書かれているとのこと。
ぜひ読んでみたいと思います。
 
ちなみに、がん研究の歴史といえば、『病の皇帝「がん」に挑む』はなかなか読み応えがあります。 未だの方は是非読んでみてください。
 
 ○ 病の皇帝「がん」に挑む - 人類4000年の苦闘 上
 ○ 病の皇帝「がん」に挑む - 人類4000年の苦闘 下
 
2冊目は、

がんとの賢い闘い方 - 「近藤誠理論」徹底批判 大場 大(著) 
 
⇒ 「近藤理論」の誤りを徹底批判したうえで、我々が知っておくべき「がんとの賢い闘い方」をやさしく説く、とあります。
こちらも、図書館で見つけたら読んでみたいと思います。

ご心配をおかけしておりましたが、昨日(8/29)退院することができました。

人生最大のピンチに、適切な対応と心からのケアで救ってくれた医療スタッフに感謝するとともに、エールを送ってくれた皆さんにも感謝したいと思います。
(そして、、しぶとく耐え抜いた自分の肉体にも感謝)
ありがとうございました。

当面の命は確保できたものの、まだまだ癌との攻防は続きます。
しっかり体力を整えて、次に備えたいと思います。


(以下余談)

とても気になっていた“プラチナ代”(頸動脈塞栓で使ったコイル代)ですが、...すごかった。

血管塞栓術として金額(点数)がでているのですが、間違いなくコイル代だけで重粒子線の治療費を超えています。 (サイズ不明だが、28個も使ったらしい)

いつものことですが、会社(健保組合員)の皆さんには本当に感謝しなければと思います。 (アービタックス 8ヶ月でも 500万近く使っていますので.)

そして、この治療を絶対に無駄にしてはいけないと、また決意を新たにしました。

頑張ります。

2015.9.1 追記

随時、追加していきたいと思いますが、
私が参考にしている(or 参考になりそうな)サイトを纏めてみました。

【がん治療の最新情報】
 
癌Experts:日経メディカル Online  (要会員登録)
 
がんと・ひとを・つなぐオンコロ
 
海外癌医療情報リファレンス | NCIやFDA、MDアンダーソンがんセンターの記事を翻訳
 
医療情報サイト m3.com |癌に関する最新臨床ニュース  (要会員登録)
 
マイナビニュース| 医療/バイオ
 
※その他、基礎研究的なものも含めて、会社で購読中の「日経産業新聞」,「日刊工業新聞」および各紙のWeb版、医薬関連企業のプレスリリースなどで情報を得ることが多いです。
 
【ガイドライン】
 
がん診療ガイドライン│口腔がん
 
がん診療ガイドライン│頭頸部がん
 
放射線治療計画ガイドライン (詳細はpdf)
 
がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン
 
【基本,一般,先進医療】
 
がん情報サービス
 
がんサポート  (詳細は有料)
 
がんの最先端治療・闘病サポート-再発転移がん治療情報
 
市民のためのがん治療の会 ニュースレター 
(主に放射線治療に関する情報を提供)
 
九州メディカル-「ロハス・メディカル Lohas Medical」九州版
 
がん | 先進医療推進機構(AMPO) (動画)
 
【頭頸部癌】
 
日本頭頸部癌学会 頭頸部がん情報
 
もっと知ってほしい頭頸部がんのこと  (詳細はpdf)
 
【各治療法について】

 
【その他】

がんの補完代替医療ガイドブック (詳細はpdf)

予想外の展開となり前後してしまいましたが、現在戦っている4度目の発病(2度目の頸部再発/転移)とその治療経過について振り返ってみます。
(初発から3度目の発病については、その後で順次書いていきます)


2014.12.20 - 12.31

異変が起きたのは昨年12月。上深頸部にできた6cm超の再発癌(根治手術不能、StageⅣb)が、動注化学陽子線で奇跡的に消滅してから13ヶ月後でした。

20日頃から就寝中に呼吸が苦しく(気道が半分に狭まった感じに)なり診てもらった所、少し前からあった喉頭浮腫が膨張、原因として腫瘍再燃の可能性が高いということで入院(12/22~)。
ステロイド点滴で呼吸困難(浮腫)を改善した後に、気管切開(12/25)、PET(12/30)をやることに。

2度目の気管切開はすんなり済んだものの、翌日から熱が下がらなかったり(当初誤嚥と思われていたが腫瘍熱だったらしい)、頸部に癌疼痛(突出痛)や異臭(癌特有の悪臭)が出たりと、この時点(PET前)で腫瘍再燃を確信。

主治医とは入院当日に再発時の治療について話をしていた。

既に根治照射(最大線量&広範囲)を実施した部位であり頸動脈にも近接しているため、手術も放射線(陽子線、サイバー含む)も不可能、化学療法でQOL維持しながら長く付き合っていける方法を考えましょう、との提案。

しかし、この時点で化学療法(=根治治療を断念)を受け入れることはどうしてもできず。

BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)を受けたいこと、ダメなら、頭頸部での成果が発表されたばかりのペプチドワクチンを受けてみたいとの希望を伝え、問合せて頂くことに。
(何れも臨床試験段階。 他に、腫瘍溶解ウィルスや光線力学療法とかも調べたが、諸々条件が合わず断念)

結局、どちらも受け入れ停止中/終了とのことで、やむなく化学療法実施へ。

化学療法では、基本の FP(シスプラチン+5-FU)に Cmab(セツキシマブ、製品名:アービタックス)を加えるのが効果的。 もし副作用、仕事への影響を減らしたいなら、FPをTS-1に変えてもよいとの提案。
(ドセタキセルにも上乗せ効果があると思うが、との問いに対しては、毒性が強いのであまり勧めない、と)
Cmab の FPに対する上乗せ効果は知っていたので、副作用より効果を優先し FP+Cmabでお願いした。


「できるだけ切れ味の鋭いレジメンでお願いしたい」との希望に対し、「強すぎる治療で逆に寿命を縮めてはいけない、QOLを維持することも結果的に延命につながる」との主治医の基本スタンス。
2年前の動注化学陽子線の時もそうだったが、納得いくまで話し合い、適宜柔軟に調整しながら最善の成果を目指していくことに。
(患者の話にしっかり耳を傾け、要望にも柔軟に対応してくれる主治医なので、とてもありがたい)


FP+Cmab開始は最速でも正月休み明け(1/5)ということで、それまでの約1週間 何も手を打てないまま、日に日に成長する癌の暴挙に苦しめられることになる。
(経口のTS-1にして直ぐ始めておけばと、その時は後悔した)

(次回に続く)