『今日から研修の一環で、サブトレーナーとしてお世話になります!-------です!』
『このチームのトレーナーをやっている———だ、よろしくな。さっそくだが君には、このウマ娘を私の代わりに見てもらおうか』
『よろしくお願いします!私は------』
それは、俺にとっては最高の出会いで
『あなたのせいで、私の人生滅茶苦茶よ!』
『君のような新人に強いウマ娘を任せる訳ないに決まっているだろ。ウマ娘との絆?馬鹿なことを言ってないで、早く現実を見たらどうだ?』
『……』
最悪の別れだった。
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『『————すでに後続とは5馬身以上の差がついている!これは圧勝だ!今、一着でゴールイン!』
それは、今年度初の選抜レースで起こった出来事だった。
最終コーナーまで最後尾を走っていたウマ娘が怒涛の追い込みで全てを追い抜き、最後は二着に六馬身差をつけての大勝利と言う、その場にいた全てのものに衝撃を与える大記録を叩き出したのだ。
そうなるとレース終了後は当然
「君には才能がある!俺と共に最強のウマ娘を目指さないか!?」
「私は過去に重賞制覇したウマ娘の担当していたことがあるわ!私と組めばあなたを三冠ウマ娘にだってしてあげる!」
「日本のウマ娘が海外で活躍する時代が間もなくやってくるだろう。その先駆者となるウマ娘は君で、君を勝利へと導くのが僕だ。さぁ、共に世界を制そう!」
他にも大勢のトレーナーが、今回のレースを制したウマ娘に対して熱いラブコールを繰り広げていた。
そもそも彼女は名家出身で才色兼備。今回の選抜レースの前に行われた模擬レースでも他を圧倒する走りを披露していたので、今回の選抜レースが行われる前から多くのトレーナーが彼女に注目していた。
その上で彼女はプレッシャーに押し潰される事なく、自分の実力を最大限に発揮して勝利を掴み取ったのだ。
そう、全ては彼女の実力があってのもので…俺には関係ない。だが
「あの、私のトレーナーになる人は既に決まっていますので・・・」
そう言いながら彼女はスカウトの為に集まったトレーナーの群れをかき分けていき、彼女は何の実績もない新人トレーナーの前に立ち止まった。
「えっ、俺で良いのか?」
「はい!今回のレースに勝てたのは私に適した走り方や作戦を考えてくれたトレーナーさんのおかげです。それにトレーナーさんに出会えたのは、まさに運命だったと思っているんです!なので私のトレーナーになっていただけませんか?」
「あぁ、こちらからもお願いするよ」
そう言い差し出した手を、彼女は両手で包み込んだ。
その一部始終を見ていた周りのトレーナー達からは我々は祝福するかのように拍手が送られ、それからは彼女と私は苦楽を共にしながら彼女と走り続けたよ。
時に喧嘩もしたし、引退の危機に陥ることも何度かあった。
それでも決して諦める事なく歩み続け、気付けば数十年…彼女は今や歴史に名を連ねるウマ娘として語り継がれるほどの存在となり、私は最高齢トレーナーとして表彰されるまでに至った訳ですよ』
『大変貴重な話を、ありがとうございます。因みに今も現役トレーナーとして後続の育成を行なっているとのことですが、何か意識している事などありますか?』
『そうですねぇ。新たに私の元に来たウマ娘にも、現役ウマ娘にも、研修でチームの手伝いをしてくれるサブトレーナーにも、皆に等しく愛情を注ぐこと』
「…くっだらねぇ」