LEDなどの「人工光」と土を使わない「完全水耕栽培」で「21世紀の農業」として脚光を浴びた「植物工場」。

過去に何度もブームになるも、安定して栽培する技術が確立されておらず、「多くの企業」が赤字を抱えて「撤退」を余儀なくされた。

しかし近年、その「植物工場」に「再び注目」が集まってきている。

「IoT技術」が進展したことで農業とICTを融合した「アグリテック」と呼ばれる技術が登場。温度や湿度管理などの精度が飛躍的に向上し、「以前より効率的」な栽培が可能となった。

さらに昨年の台風の影響による「価格高騰」など、天候によって「価格が大きく変動」する「普通の野菜」に対し、1年を通してほぼ「一定の価格」で生産できる「工場野菜」ならではの強みも注目を集めている要因だ。

「植物工場」は従来の農業ような農地が必要とならないため、配送面などを考えると人口の多い「都市部」に設けた方が効率が良い。しかし現在、「中規模」以上の植物工場の「ほとんどは郊外」に作られている。

その主な「理由」の一つが「建築基準法」だ。同法によると水を汲み上げるポンプや原動機などを有する植物工場は「農地ではなく工場」として扱われることから、住居地域では50㎡、商業地域では150㎡以上の作業場を持つ工場の建設は原則として許可されていない。

そのため「都市部」の植物工場は「小規模」となることが多く、採算性を上げることが難しかった。

そんな中、「内閣府」の「規制改革推進会議」が植物工場の都市部での「建設規制緩和」の検討を開始。「政府」も「植物工場の普及」をさらに進めるため動きだした。

実際に建設規制が緩和されれば、植物工場へ参入を検討している企業にとって追い風となる。

検討はまだ始まったばかりで、どのような形になるのかは、今後の議論次第となる。