2020.1.18

セミナー「令和型 工場管理の新常識 工場が抱える16の盲点」

 

 

 

1/17、大阪で行われた工場管理セミナーに参加しました。

 

講師は、近江技術士事務所の所長、近江堅一氏

 

この方は、国家資格である技術士資格(経営工学―工場管理)を取得しており、生産コンサルタントとして独立後、各地工場の生産性向上を300工場指導。

ISO9001の主任審査員も務め、審査回数は400回という経歴の持ち主です。

 

ISO9001とは、『よりよい製品やサービスを提供するための仕組みを評価するガイドライン』のことであり、製品やサービスの品質マネジメントシステムに関する規格で、ISO(国際標準科機構)による審査を受けて取得できます。

ISO9001を取得することは、自社のサービスや製品の品質を高めることに繋がり、「この企業の製品は品質が高い」ということを内外にアピール出来ます。

 

<セミナー概要>

トヨタ生産方式を中小企業向けに落とし込み、品質管理や工場のムダ取りの方法、現場リーダーや責任者のなすべき仕事、作業者への指示の出し方などの工場改善の方法論を

トヨタに学びたければトヨタを忘れろ 間違いだらけのカイゼン活動7大盲点』という自著を元に説いていただいた。

そして「工場が抱える16の盲点」を挙げ、その解決策を教えていただいた。

 

最重要事項は3つ。

  1. 管理者はPDCAPに「時間」を組み込む

  2. 作業者に「時間」の指示を出す(何時から何時まで何をする)

  3. 現場リーダーをラインから外す

  

以下、「工場が抱える16の盲点」より興味深かった点を挙げます。

 

<品質管理>

Q1 顧客クレーム・不良流出が再発してしまう本当の理由は?

A1 クレームの責任者が曖昧である

クレーム減に一番効果のあるのは、クレームの責任者を決めること。

基本的に、クレーム責任者は作業者ではなく管理者である。

クレームが起きれば、責任者にペナルティを課すようにすれば、責任者はクレーム防止策を本気で考えるようになる。

 

 

<生産性向上>

Q2 「5S」活動で生産性は上がる?

A2 規律を保つ意識付けにはなるが、生産性向上にはあまり直結しない。

5S(目につくムダ取り)よりも「目につかないムダ取り」を進めるべき

 

Q3 生産性を上げるにはどうすれば良い?

A3 作業指示書に「時間」を入れる

作業時間を指示することにより、「何時何分までにこの作業を終えないといけない」という目標が明確になる。遅れが出た場合は、遅れを取り戻そうという意識も生まれやすい。

結果、それだけで作業スピード向上につながる。

また、時間あたりの実際の作業スピード(実際値)が割り出せる為、作業そのもののスピードを計測した値(理論値)との差異を発見することが出来る。これが「目につかないムダ」と考えられる。

 

<ムダ取り>

「目につかないムダ」

休憩時間以外の休憩、機械の調整、トラブル対応、指示仰ぎ時間、物の運搬、雑談、等々

時間通りに作業できなかった原因

 

Q4 作業工程分けて分業するのは効率が良い?

A4 1個流し(複数工程を1人で行う)の方が効率的

工程が終わるごとに、仕掛品を一度置いて、次の工程の人がそれを取って…

という「置いて、取る行為」が1個流しでは必要なくなる。

また、工程の難易度や作業者のレベルによって、工程ごとにスピードが異なると、「前の工程の仕上げ待ちの時間」が発生するが、1個流しでは発生しない。

多能工化やライン分けが実現しやすく、作業者が休んだ際のロスも軽減できる。

 

Q5 製品在庫は減らすべき?

A5 単純に減らすのではなく、ルールを作ってコントロールする。

残り何個になったら、何個になるように作る・発注するというルールを作り、順守する。

 

Q6 ムダをなくすには?

A6 ムダの明確化、そして削減目標を設定する

ムダ取り手段であって、目標であってはならない。

具体的な削減目標がなければ、結局実行出来ずに終わる。

工場を止めてでも、丸一日かけて「工場改善方法を、真剣に話し合う会」を設けるべき。

 

<監督者(現場リーダー)の在り方>

Q7 ラインから外すのは誰?

A7 最も優秀な人をラインから外して監督者にしなさい

優秀な人をラインから外すのは一見、生産性を落とすことにつながるように思えるが、

優秀な人が監督・指導を行うことで全体の生産性はアップする。

自分でやった方が早い、ではなく、他人が同じことを出来るようにする。

そうすることで、教える側も教えられた側もレベルアップし、教育制度が確立する。

 

トヨタ生産方式のJIT(ジャストインタイム)の思想…仕事量/時間=必要人員

今いる人員に満遍なく仕事を割り振らず、余剰人員を作れ。

優秀な人を余らせ、その人に別の仕事を与えろ(現場監督、技術指導、経営参画等)

 

現場リーダー 5つの役割

  1. 日産計画(時間の指示) ②進捗確認 ③運搬係 ④作業者の力量アップ 

  1. 不良品チェック、予防

 

 

<管理者の在り方>

Q8 工場管理者の仕事とは?

A8 目標を立て、PDCAを回して実現させる

P=計画・時間

D=実際

C=結果(P-D)=差異(Pに時間組み込むことでわかる)

A=原因⇒是正

 

計画から何分遅れているのか、何故遅れているのか、遅れを取り戻すにはどうすれば良いか、

遅れないようになるのか、遅れを

 

長期、短期の目標を立て、納期から作業日程や時間を調整し、

作業者への時間指示を出し、その進捗をチェックするのが「管理」

 

資材発注、データの入力など、その他の業務は管理者の仕事ではない。

別の担当に任せるべき。

 

管理者、監督者=責任者

任されている、責任があると感じている人の方が、良く働く

 

Q9 コストを考えて安い外注に出すのはアリ?

A9 出来るだけ内製化した方が良い

外注に出している間も社内の人件費はかかる。

外注のアガリ待ちも発生して時間がかかるし、外注への運搬にも人手がいる。

生産性が上がれば人員に余裕が出来るので、その人員で内製化すべき。

 

Q10 納期は現場作業者に教えた方が良い?

A10 現場が勝手にスピード調整、残業時間調整するので、作業内容と時間設定だけ伝える

 

以上のような内容でした。