【 症 例 紹 介 】
『小児期の鎖骨骨折変形癒合により更年期以降に出現した機能障害の一症例 』
◯鎌田政之 藤本一花 一宮美実 藤本佳代 戸次奈々子 西村みす子
Here is a case of a woman middle aged,suffering from the aftereffects of the malunion of the partial fracture of the collarbone, caused in her childhood.
By our acupuncture therapy, we do our best to recover such complaints and physical pains that might be caused by some old injuries.
はじめに、症例紹介に際して写真使用および記事掲載を許諾下さいました患者さまに心より感謝申し上げます。
○ 症例 40歳、女性、バレーボール選手
学童期に右肩を受傷。鎖骨骨折の治療機会を失い変形癒合したとのこと。数年前から日常動作で右肩の痛み、背部の違和感が顕著になり、最近ではバレーボール活動中に外転、外旋動作の際に激痛を伴う可動制限が頻発しプレーに支障が出始めた為、当院受診。
■症例写真 1. 正 面
正面からは、右鎖骨骨折部の変形がみてとれる。中外部で骨片が上方転位したまま癒合し、鎖骨外端が内方へ短縮転位した状態。これが、患者の訴えるバレーボール活動中の外転外旋動作の可動域制限と、最終域で上腕骨骨頭付近と鎖骨外端が接触する激痛の一因かと推察される。
後面からは、肩甲骨内上角と下角の位置に左右非対称がみてとれる。健側に比して明らかに外下方に位置し、患者の訴えにある日常動作での背部の痛みや違和感の原因になっていると考えられる。
以上のように、治療機会を失い変形治癒した鎖骨骨折の症例を紹介した。
経時的に肩関節を含め肩甲帯全域に痛み、違和感、可動制限などの影響が出現してきたもので、疼痛回避・代償動作による筋疲労や不良姿勢が懸念される。
今後は専門医連携下に超音波療法、鍼灸療法、鍼灸医科学手技、上腕肩甲帯の可動域訓練、活動現場でのテーピング等で補助しつつ経過観察を要する。
🍀 御 断 り 🍀
当ブログで紹介する症例や写真は実在する患者さまです。同じような痛みをもつ患者さまやそのご家族の理解の一助になればとの思いから、症例患者さまに写真使用や記事掲載の許諾をいただいております。故に、専門諸家ならびに関連諸氏からの詳細な御指摘、ご指導は賜りかねますので、悪しからずご了承下さい。