2009年01月13日(火) 14時07分

【神隠し殺人初公判 検察側冒陳】(2)ノコギリ使い解体…「小分けにしてトイレやゴミ置き場に」(産経新聞)

 検察官が法廷で読み上げた冒頭陳述の要旨は次の通り。

■神隠し殺人初公判■(5)留学の思い出も切り刻み、トイレに流した

 ■死体損壊、遺棄の状況

 星島貴徳被告は東城瑠理香さんの死亡を確認すると、死体を浴室内に運び入れ、衣服をはぎとり、午後11時50分ごろ、包丁2本とノコギリで死体の解体を始めました。頭を切り落とし、右足、左足、左右の腕を切り落としました。

 昨年4月19日午前2時ごろ、警察官が(マンション自室の)918号室を訪ねてくると、手足についた血を洗い流し、ドアを開け、入浴中であったように装って応対しました。「何も聞こえなかったです。眠いので寝ていいですか」などと嘘を言い、無関係を装いました。

 死体から切り落とした足と腕を冷蔵庫に入れ、頭をクローゼットの中にあった段ボールに隠しました。胴体は、ベッド下の段ボールの中に隠しました。

 被告は19日正午ごろ、訪ねてきた警察官を部屋に入れ無関係を装いましたが、その際、瑠理香さんが916号室で姉と生活していたことを聞かされました。連れ込んで強姦しようと計画していた女性は、瑠理香さんではなく、姉であったと分かりました。

 19日午後9時ごろから、腕、足から包丁を使って肉をはぎとり、まな板で切り刻んで水洗トイレから下水管に流しました。後の骨はノコギリで細かく切り、冷蔵庫に隠しました。

 星島被告は20日夕方、マンションのエレベーターで偶然顔を合わせた瑠理香さんの父親に対して「大変なことになりましたね。どちらの部屋ですか」と話しかけ、無関係を装いました。午後8時ごろからは、死体の胴体を解体し、内蔵を取り出しました。まな板で切り刻み、水洗トイレに流しました。残った骨は冷蔵庫に隠しました。

 被告は21日は普段通り出勤し、午後9時ごろから、死体の頭から髪の毛を切り、頭皮を耳や鼻、唇ごとはぎとり、眼球をえぐり出し、切り刻んで水洗トイレに流しました。さらに頭蓋骨(ずがいこつ)をノコギリで切って、脳を取り出し、下水道に流しました。頭蓋骨は数個に切って、冷蔵庫に隠しました。

 22日から3回にわたって、骨を手提げカバンに入れ、918号室から持ち出しました。出勤の際に、最寄り駅近くのマンション1階ゴミ置き場に捨てました。22日夜から23日未明にかけて、冷蔵庫の死体の骨を、さらに細かく切り分けました。浴室の天井裏は、すでに警察官が来て調べ終えていたので、冷蔵庫から出して隠し替えました。

 25日ごろ、浴室の天井裏に隠していた骨が腐って、猛烈に臭うようになったため、被告はその日の夜から27日まで、骨を鍋に入れてゆでました。細かくなった骨や肉片、歯は水洗トイレに流し、大きい骨は冷蔵庫に隠しました。

 被告は翌週の29日、近くのコンビニエンスストアのゴミ箱に骨の一部を捨て、5月1日には残っていた骨をポリ袋に入れ、出勤途中に駅前のマンションのゴミ捨て場に捨てました。

 ■証拠隠滅工作

 被告は昨年4月19日夕と20日夕に、警察官が訪ねてきたときも、事件に無関係を装いました。19日夕には、笑みを浮かべてマスコミ関係者に対応し、無関係を装いました。

 瑠理香さんの携帯電話に電源を入れれば、生きていると装えると考え、瑠理香さんの顔写真と氏名をはり付け、隠し持っていました。被告は瑠理香さんの衣服など、携帯電話以外の所持品をすべて、切り刻んで水洗トイレに流すなどして捨てました。骨を捨て終わった後、部屋を掃除し、血や肉片が残らないようにしました。

 ■遺族の生活や処罰感情


 瑠理香さんの姉は、生存を信じて捜査に協力しました。瑠理香さんがいなくなった直後に駆けつけた父母も、瑠理香さんの帰りを待ち続けました。被告の自供後、5月28日から下水管から瑠理香さんの骨などが見つかり、DNA鑑定の結果が出ましたが、遺族は瑠理香さんが亡くなったことを受け入れられませんでした。遺族は被告の死刑を望んでいます。

 ■情状

 マンションの住民に恐怖を与え、社会にも衝撃を与えたことなどを立証します。

=(完)