監督: 瀧本智行
原作: 阿川佐和子
脚本: 青木研次
撮影: 柴主高秀
出演: 坂井真紀 西島隆弘 加賀まりこ 藤竜也
生産国:日本
星取り ★★★
(星取り説明 → ★★★★★最高 ★★★★感動 ★★★満足 ★★不満足 ★最悪)
あらすじ
一人で暮らす35歳の独身女性の一軒家に
初老の遊び人と若いフリーターの男が転がり込んで、巻き起こるハートウォーミングドラマ。
いい映画だった。とてもいい映画。
私は、昔から女性っぽい世界観が非常に苦手で、
今回も長年のあこがれの的、藤竜也氏のアロハシャツ姿を見たい、
その一念で劇場でかけた。
しかし…いい映画じゃないか!
もともと現実感の薄いストーリーであるため
冒頭からのファンシーギャグで箱庭感を出し、中和。
そのうえで、丁寧に丁寧にシーンを切り取っていく。
シーンごとは丁寧だが、全体的にテンポはよいので快調に映画は進んでいる。
どうにも受け入れられなかったファンシーギャグも、
基本通りに繰り返し繰り返し挿入されると馴染んでくる、親しみがわいてくる。
周りの女性たちは結構爆笑だったし。
俳優たちもかなりオーバーなコメディ演技を義務づけられており
寒さと紙一重のところをくぐった主演の坂井真紀は素直に感嘆したほか
カワイイ芝居を心がける藤竜也のチャレンジはファンとして心強い限り。
しかも、非常に美しい(これはファンならでは)。
題名にもついている”スープ”は映画でも非常に重要な役割で出てくるが
決してグルメ映画というわけではない。
スープがおいしいと思えるうちは、人生大丈夫という
テーマはかなり厳しい。
ファンシーな包み紙でごまかしつつも
内容は本格派の人間ドラマ。
生活感を出さずとも、出さないからこそ、人間を描けることもあるんだと
プロの手腕に感動。
人生や日常生活につかれた人(特に独り者に)オススメした佳作である。