万座毛を観て沖縄旅行もおえたのですが、今日は沖縄と本土の文化的な差違を説明しようと思います。那覇空港を降りて高速道路に乗って息子の家のあるうるま市に向かって走っていた時に車窓を観ていて気付きました。恰好な住宅地に大きなお墓が建って居るのです。息子に聞くと沖縄の葬式は内地と大違いなのだそうです。一般に内地では故人の親類友人が会葬するモノですが、沖縄では故と縁が薄くても知り合いであれば誰しも会葬して、お酒を飲みかわし故人を盛大に送るのだそうです。その為にもお墓は広く車の便の良い場所に作るのだそうです。言われてみれば高速道路のインターチェンジ近くに墓地販売が目立っていました。内地では埋葬方法は火葬(仏式)か土葬(神式)ですが沖縄ではあえて云えば風葬式なのです。風葬とは、遺体の周りを石で囲って風化させるという埋葬方法です。風化に伴って骨になったら、遺骨を洗浄して骨壺に入れます。その後再び石室に納骨するのが習わしだったのです。琉球王朝の墓である「玉稜」では中央の穴に遺体を納め三年も経て白骨化すると、西側の石棺に納めていました。琉球王朝の葬儀が規模こそ違えても民間人も同様であるのでしょう。お墓の前庭が広いのは会葬者の精進落しの為でしょう。

首里城近くにある琉球王朝尚一族の墓(玉稜)故人の遺体は先ず中央に納めて白骨化したら西側の石棺に納骨します、

広大な前庭は会葬者の精進落しの為です

沖縄では納骨をして魂入れした後、その場で宴会が開かれます。そのため、お墓の敷地は大きい必要が在って現代も変わらないのです。沖縄のお墓の大きさには様な理由があるのでしょうが人とのつながりを大事にしている事は大きな特徴でしょう。沖縄人に強い人情味を感じるのはお墓文化にも現れています。

此れは典型的な亀甲墓です、多く崖に横穴を掘って作られました女性の子宮に似た形なので子宮回帰と云われ台湾や華南に観られる墓です、亀の部分は「シルヒラシ」として利用されました。死体を棺に入れたまま朽ちさせる場所になります。火葬が一般的なった現在でもこの形が大事にされています写真は海軍司令壕の墓

高速道路インターチェンジ近くで売られていになっています

沖縄の墓は沖縄が父系社会である事を示していて,回忌法要では故人の父系親族が集まって盛大に法要を営みます。

沖縄の気候に合わせた大きな墓設計沖縄の気候、特に雨期に合わせた設計のため、お墓が大きくなったのでしょう。雨期や台風の季節などは激しい雨と風にみまわれるのが沖縄です。頑丈な土台と屋根を作ることで、お墓が倒れたり、痛んだりしないよう考慮して作られていったのが沖縄特有の大きなお墓といえます。そのため、広い敷地に大きな屋根が広がるお墓を設けたのです。

                 【了】