2月21日沖縄那覇空港に到着して牧志公設市場でランチあをおえてTシャツに着替えて早速に首里城に向かいました。首里城の向いの丘に「首里染色会館」があるので見学する事にしました。沖縄の織物と云えば紅型をおもいますが、庶民の作業衣の「芭蕉布」も根強い人気があります。紅型は沖縄ならではの色鮮やかな色彩が特徴で琉球王朝の王族や琉球舞踊の着物に使用されていますが、15世期頃に、日本本土や中国、東南アジアとの貿易を通して沖縄独自の染物として生まれ成長し、現在に至るまで、大切に守られ、受け継がれてきた伝統工芸です。伊勢型紙と同じ様に型紙に模様を切り抜き布に糊を塗って鉱石や草木の顔料を塗布して糊を洗い落せば美しく鮮やかな模様が染め上がります。基本的技法は京都の友禅染と同じです。

これは琉球舞踊衣装です。琉球紅型染の南国特有の色使いは、目にしみるほど鮮やかです。黄色を背景に、大胆に彩色された牡丹、枝垂桜、ツバメ、蝶、菖蒲、菊、雲取り麻の葉などが浮かび上がるように鮮明に描かれています。

一方庶民の服装に使用された芭蕉布は12〜13世紀ころから織られていたと考えられている。王族の衣服や士族の役人の制服として、庶民の普段着や晴れ着として幅広く利用された様です。沖縄を観れば芭蕉はそこら中に生育しています。台風が頻繁に通る沖縄に自生する芭蕉ですから茎に強靭な繊維が組み込まれているのでその繊維を抜き取って布に編んだものが芭蕉布です。蒸し暑い沖縄ですから芭蕉布は和服の絽の着物の様に涼しく着られるのです。紅型の染料が高価な素材であるのに対し芭蕉布の染料は安い草木や泥で染めています。その味わいが魅力であります。妻は沖縄に行く前から織物を観たいと希望していました。

此れが芭蕉布の着物を召した庶民です

琉球の織物は日本の織物をベースに中国や朝鮮の伝統技能を組み込んで、亜熱帯地域の気候に適して沖縄の素材を活用した伝統工芸です。「首里染色館/すいから」は那覇染色織物事業組合が最近竣工させた施設で琉球びんがた事業協同組合の染め織の体験・発信拠点施設です。玄関に吊るされた看板には「首里織」と書かれていました。伝統の紅型とも「芭蕉布」とも書かれていないので現代に即した新しい織物を意識しているのでしょう。1階は作品の展示販売2階は50台程度の木製の織機が置かれて4人ほどの若い女性が熱心に織っていました。

此れが首里染色館/すいからです。首里城の入口に立地している高級住宅地にあります。

赤瓦に木目のビル側壁で風致地区に適したデザインです。

首里染色館/すいからの玄関琉球民家にある「目隠し」に施設名を記していました。

首里染色館/すいからの玄関横に吊るされた「首里織」の看板

首里染色館/すいから1階の展示場

首里染色館/すいから2階の作業場(教室)では50台程度の木工織機が置かれ5人の生徒さんが熱心に織機で作業していました

若い女性が紫色の織物を織っていました、渋い色ですからお母さんにプレゼントするのでしょうか?

紫の染料は「天然のアカネですか?」訊いたら天然は)色落ちするのでこんれは化学染料です。答えが返ってきました

この後私達は琉球織物特に紅型を沖縄県立博物館初め、琉球村や私達が宿泊したホテルの舞台でも観ました。紅型の地色はピンクと黄色が多い様です。もう10年も昔ですがNHKBSでテンペストを放映しました。仲間由紀恵さんが琉球王朝の末期に高級巫女でありながら男に変じて中国清国と薩摩の野心に対抗して王朝の継続を図るドラマでした。美しい仲間由紀恵さんが黄色い紅型を召して一段と美しさが記憶の残っています。

NHKBSでテンペストで琉球王朝の継続を図る巫女役を演じた仲間由紀恵さん

                              【了】。