日本人はアズキ餡が大好物です。晴れの日には赤飯を食べるのが食習慣で、赤飯が無ければ「大福」でも、牡丹餅でもアズキ餡を食べたくなります。初詣で伊勢神宮に上がれば名物の「赤福」が食べたくなって門前の「おかげ横丁」に行けば赤福本店があって「ほうじ茶+赤福」を手ごろな価格で戴けます。

伊勢神宮の名物「赤福」12個入っているのでお土産には最適ですが、少人数家族では困りものです

12個の赤福は食べきれないのでおかげ横丁赤福本店に行けば「ほうじ茶+赤福」を戴けます。

五十鈴川の水面を観ながら赤福を戴けば体中に元気がみなぎってきます。北野天満宮に行けば、門前に「沢屋」があって梅の香を嗅ぎながら程よく甘いお餅を戴けます。大宰府天満宮ではその名も「梅が枝餅」を戴けます。昨年訪れた出雲大社では紅白の丸餅を使った「善哉」を戴きました。

此れは大宰府天満宮門前の名物「梅が枝餅」です

此方は出雲大社門前の茶屋で商っている善哉です

 

お餅は神様の依り代であって小豆は厄除けの呪物(おまじない)があると信じられてきたのでしょう。加えて参詣が目的で長距離旅をして疲れた体には甘いアズキが体に元気を復元させてくれたのでしょう。私が小学生だった頃上棟式には必ず「餅投げ」が行われました。今でも町内にある「舞岡神社の湯花神事では餅投げが行われます。

湯花神楽と餅拾い(舞岡八幡宮) - 雀のお宿

舞岡神社で営まれる湯花神事この後餅投げが行われます

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舞岡神社の湯花神事は4月15日です。私でも写真の様な丸餅を拾えました

処で厄年は男女で違います。男性の場合は、数え年で25歳、42歳、61歳。女性の場合は19歳、33歳、37歳とされています。

厄払いの餅まきは人に施しをする、徳を積む良い行いとされています。徳を積むことで、厄や災いを遠のけるという意味があります。また一方ではたくさんの人にお餅を拾っていただき、小さい厄を持ち帰っていただくなどの意味合いもあります。地域のコミュニティが運命共同体として互いに協力しあいながら生きてきたことがわかる風習の一つでもあります。神社、自治会、町内会など厄払い餅まきとしてご利用されています。私が小学生だった頃庫裏の建て替えを実施しました。藁葺きで土間のあった庫裏を建て替えてトイレや炊事場を使い易いモノに替えて祖母の隠居部屋を新築したのでした。その上棟式に際して餅投げを実施しました。心柱の上に幟を据えて四方に青竹を立てて注連縄で囲って大棟の上から大工さんがお餅を投げました。

上棟式で行われる「餅投げ」風景。大棟には五色の幟が立って注連縄や榊が奉納され、

心柱には大工の名や施主の名が記された「棟札」をくぎ打ちします。

処で本題の寒川神社の名物アズキ餡の八福餅です。本来の名は「八厄除け餅」なのでしょうが、語呂が悪いので厄を払って福を迎える意味で「八福餅」の名をつけたのでしょう。伊勢神宮の赤福は全国区ですが寒川神社の八福餅は「神奈川地方区」です。素材は赤福と同じでもデザインが優れています。赤福は五十鈴川の波をデザインしているのでしょうが、八福餅は渦潮をデザインしています、四方八方から福運が渦を巻いて寄って来るデザインです。神田明神の神紋は三つ巴紋ですが八福餅のデザインは八巴紋です。

ショウエイ ネットショップ / 神田明神 神田焼(8個入り)

神田明神の神紋は三つ巴紋です、この神紋に慣れた人には八福餅の八巴紋が有難く見えます

八福餅を製造しているのは寒川神社門前の蕎麦屋の「八福茶屋」です。

これが寒川神社三の鳥居に近い「八福茶屋」です。この奥に工場があって「八福餅」を寒川神社に卸しています。

私達はお土産用に作られた八福餅(12個入り1200円)を求めて休憩所脇の椅子に腰かけて戴く事にしました。

寒川神社の休憩所のベンチで八福餅を戴きました。

寒川神社の休憩所で戴いても残りは10個もあります。全部戴くにはまる一週間を要します。それでなくても血中の糖分やカリウムについて高田脳神経医師に注意をするよう指導されている私達夫婦です。アズキが体に有益である事は一面の真理ですが、既に黄色信号の出て居る私の体には薬膳の有害です。一週間毎日1個ずつ八福餅を食べたらどうなるのか?心配です。せめて半分のサイズ(6個入り600円)にするか伊勢神宮の赤福の様に「ほうじ茶+八福餅」で300円程度でイートインさせてくれたら有難いものです。

自宅の帰って残りの八福餅を戴きます。この先毎日お三時に戴かなくてはなりません。

             【了】