一昨日(12月28日)年賀状を投函出来ました。毎年クリスマスを終えたら出状したいと思いながら、今年も遅くなって一昨日の出状で、これでは元旦に年賀は届きそうにありません。私は版画年賀状を用意してきたのですが、来年の年賀状も版画にしようと思って版板を求めていたのでしたが、画材屋さんが一店もない戸塚では版画板は買えません。版板で一番良いのは桂材です。鎌倉に行けば鎌倉彫の素材屋で桂の版画板を売ってくれるでしょうが、高価なので小学生が使う苞の木の版画板を百円ショップで求める他在りません。処で来年はハガキを値上げするそうです。この冬求めた年賀はがきは63円/1枚でしたが、85円に封書も84円から110円に夫々常識を超えた35%もの値上げです。所管の総務省も政権の意向を踏まえて唯々諾々と値上げを承認する事は無いでしょうが、庶民にとっては穏当ではありません。郵便と並んで活字文化を支えている新聞も来年は値上げラッシュの様です。郵便も新聞も沢山の人が利用するので単価が安いのでした。利用者が減少すれば単価は上昇してしまいます。企業も消費者も困ります。

世界の新聞発行部数(ひとり一日あたり) - agehaメモ

           世界の一人当り新聞発行部数日本は1部/戸で世界一の発行部数を誇って居ます

新聞発行部数は世界中で伸び悩んでいま

さて今年の版画ですが桂の版画板が買えなかったので芋版で済ませる事にしました。この秋収穫した紅乙女を切って切り口を版画に使用します。

この薩摩芋(紅乙女)が芋版の素材です。切り口から乳液が滲み出します。柔らかいし絵具も良く吸うので版画には適しています。

芋版の表面に「立春大吉」と三角鑿」で刻みました

霧吹きで雨を表現して更に富士山を描いて聖徳太子の伝説(富士越え龍)をイメージしました

此れが完成です、空白にメッセージを書き加えます

此れが四天王寺の富士越え聖徳太子の絵です

四天王寺の富士越え聖徳太子をイメージするならば赤富士にして龍でなくて黒馬にした方が判り易かったでしょう。赤富士(北斎)を想うと版元の「蔦屋重三郎」を思い出します、蔦屋重三郎は新吉原に店を構えた版元で江戸時代のメディア王でした。遊郭のPR用の浮世絵の版元でありまあした。浮世絵は絵描き(歌麿や北斎等)と彫師と摺師等の共同作業で出来、中核になるのは版元と呼ばれる企画者であり資本家でした。具体的には遊郭で売り出したい遊女の注文を確認した蔦屋重三郎は傘下の喜多川歌麻呂(絵描き)に遊女を描かせて絵を彫り師にわたさいます。職人の彫師は版木のほります。原画の色数に応じた数の版木を彫って蔦屋重三郎に版木を売ります。次いで蔦屋重三郎は摺師に版木を渡して浮世絵(多くが錦絵)を摺らせます。

此れは遊女ではありませんが市井の美人画で、喜多川歌麿の代表作です

此れは喜多川歌麿の当世三美人図です。桐の紋が入った団扇を持つのが、「難波屋おきた」

        左の三つ柏の紋が「高島おひさ」そして上の桜草の紋が「富本豊雛」です・遊郭と茶屋の看板美人でした。

蔦屋重三郎は浮世絵文化のプロデューサーであり、彫師や摺師にとっては スポンサーでした。レンタルビデオや古本屋を事業にしているCCC(カルチャー・コンビニエンス・クラブ)は(蔦屋)の店舗名で事業展開しています。屹度事業モデルを浮世絵の「蔦屋重三郎」に置いているのでしょう。        【了】