12月22日は寒波が襲って来ていました。私は友人と5人で赤レンガ倉庫のクリスマスを愉しもうと、シーバスで横浜港を横断して赤レンガ埠頭に向かいました。シーバスの乗り場に行くには横浜そごうデパートの地下惣菜売り場を抜けて4階から隣のビルに渡って行きます。金曜日のそごうの総菜売り場は大変な混雑でした。「南瓜の煮しめ」に「冬至弁当」等が人だかりです。冬至には南瓜を食べるのが習慣なのでしょう。冬至は別名「一陽来復」とも言い、長く寒い冬が去って、恵みの春がやってくることを願ったと言われています。天文学では1年で最も昼が短い日のことでこの日を境に昼は長く夜は短くなります。しかし、体感的にはこれから立春迄が最も寒い時期で風邪や肺炎が流行る季節です。この要警戒の季節を過ごす為には第一に南瓜を食べて、免疫力を強める事が良いと習慣づけてきました。南瓜にはβーカロテンが豊富に含まれています。βーカロテンは体内でビタミンAに変換され、抵抗力を強めて皮膚や粘膜を丈夫にしたり、免疫力を正常に保つ働きがあると云われています冬至にかぼちゃを食べると風邪を引かない」と云われる所以です。

 

南瓜の煮しめは冬至料理の定番です。

横浜そごうの地下惣菜売り場では「冬至弁当」を商っていました。案内には「ん」の字が作食べ物を奨めていました。

冬至の日に「ん」の付くものを食べると運がつく(運盛り)と言われており、冬至の七種(とうじのななくさ)と呼ばれるものがあります。蓮根(れんこ人参(に銀杏(ぎ金柑(き寒天(か饂飩(う等何れも「ん」がついています。南瓜(カボチャ)は別の呼び名が南瓜(なんきん)なのです。南瓜は陰陽道で、陰(北)から陽(南)に向かうことを意味するため、縁起の良い食べ物なのでしょう。昔は冬に緑黄色野菜が採れなかったため、夏や秋に採れた緑黄色野菜で漬物や干し野菜を作り保存していました。南瓜は栄養が不足しがちな冬にそのまま保存できる貴重な野菜として食べられていたことから、冬至に南瓜を食べる風習が生まれたのでしょう。そして免疫が重要視されている現在は一層見直されているのでしょう。南瓜で想い出すのが、瀬戸内海の直島に置かれた草間彌生氏のアートです。

瀬戸内海に浮かぶ直島に置かれた草間彌生氏のアート「黄南瓜」と呼ばれています。

此方は直島フェリー埠頭に置かれた「赤カボチャ」で見るからに厄除霊験がありそうです。

直島は香川県高松市の沖合にある人口3千人余りの小島で小豆島の隣です。その立地から高度成長期には建築廃棄物で埋もれていました。瀬戸内海沿岸の再開発で生じたアスファルトやコンクリートガラを直島に不法投棄したのです。過疎で悩んでいた直島はアートの力で地域の再生を計画しました。直島で暮らして来た人達と直島に来て生活しようとする人。

不法投棄されたゴミやコンクリート・スラグを回収する島民

コンクリートガラを敷いた宅地に88体の石仏を並べて「ブッダスラグ」と名付けました

集落の中にアート作品を置く事で出自の異なる人々が融和して不法投棄で瀕死の集落を再生させようと企画したのです。看板アートが草間彌生氏のアートでした。計画がスタートしたのは1998年で、空き家を再生して都会人を受け入れました。瀬戸内国際芸術祭が2010年に始まりました。年々新たなアートが並び賑わって来た様です。此れも南瓜の霊緑のおかげでしょうか?

                             【了】