昨晩は降雨で今朝は冷えていました。朝刊を取りにポストに行くと脇に柚子の木があります。3年前に満天星の木が枯れたので柚子の苗を植樹したのでした。今朝見ればいつの間にか3㎝程の揚羽蝶の幼虫が柚子の葉をむさぼり食っています。充分食べて蛹になって冬越する作戦なのでしょぅ。

庭の柚子の幼木の葉をむさぼる揚羽蝶の幼虫

揚羽蝶は「蛹」で越冬します

「生活の三大要素」とは、「衣食住」のことを指します。 これらは、人々が生活をしていく上で欠かせない基本的な要素であり、「衣服」「食物」「住居」を意味します。慣用語としては「衣食住たって礼節を知る」といいますから、一番大切な「礼節を弁えて日常生活する為に先ず「衣食住」を大切にしろ」と云った意味なのでしょう。私は先ず「食」で次が「住」最後が「衣」だと思っていました。縄文・弥生遺跡を見学していると大抵が「食・住・衣」の順番で展示しています。「食・住」が欠けていたら生きてゆけません。衣が不足しても死ぬ事は無いでしょう。でも現実は「衣食住」と呼んで「生活の三大要素」を指してきました。出典は中国春秋戦国時代の思想家「官仲」の著「官子/かんし」で【生活にゆとりができてこそ、礼儀や節度をわきまえるようになる。政治の要(かなめ)は国民のゆとりある生活にあるというたとえ。「衣食」は、衣服と食物の意味。「礼節」は、礼儀作法また礼儀と節度。】です。日本では「奈良時代。平安時代」に受け入れられた思想でしょう。丁度中国の影響を受けながらも国風文化の隆盛を観た時代「衣」では着物が出来、「住」では和風建築の白眉「平等院」や「厳島神社」が出来ました。

藤原頼道の別荘平等院は和風建築の白眉です。

人間の生命力の根源は「性欲』次に「食欲」最後に「睡眠欲」でしょう。少なくとも私は「性欲」「食欲」「睡眠欲」を重視してきました。此れを「生活の三大要素」に嵌めれば「衣食住」になります。来年のNHK大河ドラマは「源氏物語」です。屹度「性欲」を実現する為の着物が数多く出て来る事でしょう。廊下を通る貴公子に見せる為の着物の裾を御簾の下から見える様に出してみたり(下襲ね)、あの手この手で女性は男性を誘います。動物の世界は男性(雄)が「雌」にセックスアピールするのですが、人間界は女性が政治・経済力のある男性にアピールするのです。常時裸でアピールできないので着物で勝負したのでしょう。

源氏物語絵巻玉鬘

御簾の下から十二単の裾を故意に出して貴公子を誘う下襲ね

十二単の裾を故意に見せて貴公子を誘う行為は時代を下って江戸時代の浮世絵にも大正時代のハイカラさんにも自転車に乗って袴の裾を乱す女学生にもエロスが意識されていました。

鈴木春信の浮世絵「雨中詣で」

大正時代のハイカラさん

処で着物の素材は生糸です。生糸は「蚕」が蛹になって越冬する為の住居を熱湯に入れて糸を引き出し更に紡いで布にして反物にしまあす。一反の布を作る為に8千匹(蚕の場合が頭と数える)藻の命を奪います。だから蚕に敬意をこめて「天の虫」と書いたのでしょう。2千年の歴史に培われた着物です。次の2千年も存続する様に大切にしたいモノです。何しろ「衣食住」の第一番なのですから。       【了】