今月の農作業はジャガイモを収穫して、その後に薩摩芋の苗を植える予定です。天気予報を確認すると今週末に降雨ですから今日(6/29)か明日には薩摩芋の苗を植えなくてはなりません。ジャガイモの収穫を孫娘と一緒にするのを楽しみにしてきたのでしたが。6月になってから孫娘は茅ヶ崎の浜降り祭で山車に乗って太鼓を叩くのでお稽古に励んでいる様で週末に来られる気配はありません。と云っても野菜は季節を待ってくれませんから今日明日中に薩摩芋の苗を植えなくては秋の収穫の楽しみは無くなってしまいます。そんな訳で孫娘の叩く祭り太鼓の事を考えていました。

太鼓は、薄い膜を中空の枠(胴)に張りそれを自らの手や撥で叩いて音を出す打楽器です。世界中で太鼓は祭事に使用されていますがドラムと呼んでいます。ドラムは世界中に在りますが地域民俗毎に異なっています。日本で太鼓と云えばドラムではなくて和太鼓を意味します。神が天空から降りて来る気配を知らせるのです。高崎市と伊勢崎市の中間にある天神山古墳には太鼓を打つ埴輪が出土していますから。古墳時代には祭器として使用されていたものと思われます。もう5年も前でしたか東博の150年展で埴輪が数多く展示されました。天神山古墳出土の太鼓を叩く女を初め琴を弾く男性等が一緒に展示されていて現代のお祭りは古墳時代のお祭りと道具も変わらないのだ教えてもらいました。

天神山古墳出土の太鼓を叩く埴輪

埴輪の太鼓

東博での祭り埴輪の展示

東博150年展での琴を弾く男

祭り囃子には太鼓と篠笛が欠かせません、「ピーヒャラ。ドン・ドン」のピーヒャラは篠笛です。メロディー楽器が篠笛です。横笛と云う事ではフルートですが、古墳からは篠笛は出土していない様です。篠笛のルーツを調べると「高麗」とか唐(隋)と云われているので雅楽と一緒で大和時代に遡るのでしょう。鎌倉時代の鳥獣戯画(高山寺)には篠笛を吹く猿が描かれています。楽しい場面には篠笛が欠かせなかったのでしょう。

雅楽でのメロディー楽器篠笛

高山寺の鳥獣戯画で侏儒の剽軽な踊りにサルが篠笛を吹いて楽しく盛り上げています

先日(6/16)に青森に出かけ「東北6県絆祭り」を観て来ました。盛岡市では「さんさ踊り」をして会場で拍手を受けていました。お神輿の前を太鼓を叩く女性が三さ踊りをして練っていました。「是から神様の乗られたお神輿が来ますよ!皆でお迎えしましょう!」悦びに満ちた踊りでした。青森ネブタの「飛び子」の様な役割を果たしていました。

盛岡市の「さんさ踊り」は太鼓を打ち鳴らして綺麗なお嬢さんが踊り練るのが特徴です、神様が乗られた神輿が来ますよ!

太鼓は神様が来られる前触れなのでしょう。昨日は雷が各地に落ちて停電も在った様です。雷の多い年は豊作で松茸も多く収穫されると聞きます。屹度神様が里山に多く来られる確信を持ったのでしょう。京都の三十三間堂に行くと千手観音の両脇に風神・雷神像が立っています。風神は野分除けと稲の結実(米は風媒花)を祈願するのでしょうし、雷神は米の豊作を守ってくれる神なにでしょう。

三十三間堂の雷神像

北野天神絵巻は菅原道真の「逸話・伝説」を絵解きした絵巻モノです。雷神は先ず清涼殿に出現します、清涼殿に落雷して燃えあがります。次いで政敵だった「藤原時平」の屋敷を焼きます。

北野天神絵巻清涼殿に天神様が出現した場面

学問の神様・菅原道真公の怨霊が引き起こした数々の悲劇【後編 ...

北野天神絵巻藤原時平の屋敷が燃える場面

和太鼓の音は神様が天上から地上に降りて来られる事を知らしめる役割を担っているのです。今日も暑くなりそうです。孫娘は祭り太鼓の稽古に打ち込んでいるようです。屹度楽しいのでしょう。そんな孫娘が愛おしく思われます。屹度茅ヶ崎の神様も可愛いいと思ってお守りくださるでしょう。茅ヶ崎の浜降り祭は4年振りで7月17日海の日の明け方(暁天)に開催されると聞いて居ます。

これが茅ヶ崎の浜降り祭です。

孫娘の晴れ舞台ですから今から楽しみです。何度も出かけた浜降り祭で「材木座海岸」や「腰越海岸」も観ました、何れも神社に詣でる前の禊なのでしょう、でも今年の浜降り祭は少し違います      【了】