青森市で行われた「東北6県絆祭り」に出かけたのでその記事を連日アップしていますが今朝は山形市の「花笠祭り/花笠音頭」を紹介します。花笠まつりは踊り子が菅傘に花飾りをつけた花笠を手にし、「花笠音頭」にあわせて街を踊り練りあるきます。戦前から行われている老北三大祭りに戦後から始まり広まった「山形花笠まつり」を加えた4つの祭りを東北四大祭りと呼ばれて来ました。。花笠まつりで歌われる「花笠音頭」の起源は諸説あるようですが、歌詞を読めば一読して「米作農業賛歌」で精読すれば「雄花沢銀山」の労働歌の様に思えます。      

    目出度目出度の若松様よ
    枝も (チョイチョイ)
    栄えて葉も茂る
(ハ ヤッショ マカショ シャンシャンシャン)

    わしがお国で
    自慢なものは
    茄子と (チョイチョイ)
    胡瓜と笠踊
(ハ ヤッショ マカショ シャンシャンシャン)

     米のなる樹で
     作りし草履
     踏めば小判のががつく
(ハ ヤッショ マカショ シャンシャンシャン)

天童温泉の近くに銀山温泉があります。大正時代には尾花沢で盛んに銀山が掘られました。鉱山の土木作業時の調子あわせに歌われた土突き歌が起源と思われます。昭和初期にかけて鉱山労働歌が民謡化されて「花笠音頭」になったのでしょう。

また踊りについては、菅で編んだ笠に赤く染めた紙(紅花)で花飾りをつけたものを景気づけに振ったり回したりしたでしょう。振り回す手振は銀山で鶴嘴を使っている様に見えます。

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尾花沢銀山址

尾花沢市の銀山温泉は銀山で栄えた名残です。

望岡市の「さんさ踊り」の次が「山形市」の「山笠踊り」です。さんさ踊りでは踊り子の頭上に花笠が乗っています明らかに蓮華の花を模しています。仏教的な匂いがします。他方山形の花笠に乗って居るのは紅花です。紅は女性の化粧品(口紅や頬紅)お祭りに向いて居るのは蓮華でなくて紅花です。

「青い森公園」前の国道を練る盛岡市のさんさ踊り頭上の赤い花が眼を引きます

此方は同じ青い森公園」前を練る山形市の「花笠踊り」です。

紅花で飾った「菅傘」が揃って綺麗でした 

北国の短い夏を彩る夏祭り江戸時代は東北三大祭りでしたが「青森ねぶた祭」「秋田竿燈祭」「仙台七夕祭」「東北三大夏祭」と呼ばれていましたがその後昭和初期に「山形花笠祭り」が加わり「東北四大祭り」になり昭和45年「盛岡さんさ踊り」が加わって「東北五大祭り」になって一昨日報告した様に昭和46年に福島草履祭りが加わって「東北六大祭り」に発展したのでしょう

古代東北地方は蝦夷と呼ばれ「未開で怖ろしい地方」と思われて来ましたが金銀が出土して日本人のロマンを沸かせる地方でした。歌枕の大半は陸奥に在ります。だから藤原実方を初め西行や芭蕉が訪れたのでしょう。街道は「奥州古道」と呼ばれました。現代では東北道や新幹線が東北六県を繋いでいます。ハードでは道路や新幹線が6県を繋ぎソフトでは東北六大祭りが絆を強め更に文化やスポーツでも東北六県は日本国の中核になっています。

                                  【了】