昨晩は横浜も夏日でした。テレビでウクライナ戦争の報道特集を観ていると救急車のサイレンが響いて来ました。我が家の前の県道が旧急指定病院への道になっているので救急車が良く通るのです。私は霊感が人一倍強いのです。高校生時代には度々「金縛り」に遭いました。ベッドで寝ていると眼の前に白いモノが現れて私の顔を覗きます。すると急激に息苦しくなって体がベッドに縛られて動きません。暫く藻搔き苦しめられる突然に消えてしまいます。祖母に相談すると「お前のベッドが洗い場と墓地の間に在るから墓地に戻ろうとする霊が水飲みに立ち寄りのだよ!」言われました。部屋の中でベッドの位置を変えると幽霊は出なくなりました。今日は幽霊の出る場所を考えてみます。幽霊が出やすいとされる出現場所は決まっているのです。第一に水の多い処です、第二にトンネルや階段です。時代や世代が変わっても幽霊の出る場所は変わりません。幽霊譚として有名なのは真景累ヶ淵も番町皿屋敷のお菊幽霊も水の出る場所でした。現代では「学校の幽霊」も「貞子幽霊」も水の出る場所です。

目黒の祐天寺に在る真景累ヶ淵の図祐天上人の事績を伝えています、幽霊は累ヶ淵に出ています。

北斎の「百物語」番町皿屋敷(四谷怪談)でお岩さんは井戸で死に井戸から幽霊で出て来ます。

現代でも幽霊の貞子は井戸から出現します

金田一少年の事件簿:“トイレの花子さん”に「怖すぎ」の声続々 ...

学校の幽霊ではトイレの花子さんが子供達に怖がられています。

人間の体は水で出来て居ますし、生まれた時には「産湯に浸かり」死んだ時には「湯灌をして送ります。最初と最後は水なのですから幽霊が出る場所は水場になっています。トンネルの幽霊は地獄の類推からでしょう。全国各地に伝わる「飴屋の幽霊」は墓地の中です。地獄と木棺に埋葬したからでしょう。

安田米斎画『子育て幽霊図』は飴屋の幽霊です。

今年も谷中の全松庵では円朝さんがコレクションした幽霊画を展示(虫干し)する季節になりました百日紅が咲く季節になると全松庵に足が向いてしまいます。先日川崎民家園で民家のトイレを視て来ました。日本ではトイレの事を「厠/かわや」と呼びました。川に行って排便した記憶でしょう。岩手の曲がり家「工藤家住居」には外便所があって巨大な肥桶の上に板を二枚渡してその上に屈んで用を足す様に出来ていました。

川崎民家園の工藤家住宅の外便所は「厠」の姿を留めていました。

私の生家は寺院で便所は廊下の先にありました。夜中にトイレに行くのが怖くて仕方無いのでした。その訳は檀家の女将さんが便所の梁に寝間着の紐をかけて首吊り自殺したのでした。便所の扉が杉戸で扉の組鍵を開けるとその先に女将さん幽霊の気配を感じて全身の毛足が立つのでした。杉戸の木目が幽霊の眼の様にみえました。

怖くて仕方無かった便所の記憶

ホラー注意】家で誰かに見られている気がする…主に床の辺り ...怖くて仕方無かった木目

棹淵天井の木目も怖くて仕方無いモノでした

数年前に「便所の神様」が流行りました。便所の幽霊も便所の神様も大同小異です。人間の生命活動(生死)への畏怖が根本にあります。畏怖の念が真直ぐであれば「便所の神様」になり屈折すれば「便所の幽霊」になるのでしょう。静岡県袋井市にある「可睡斎/曹洞宗」には綺麗な便所が整備されています。中央に便所の神様「烏枢沙摩明王」が祀られ僧侶は烏枢沙摩明王の目線を背中に感じながら用をすませます。

日本一の大東司(だいとうす)と烏蒭沙摩明王 | 秋葉総本殿 可睡斎

袋井市にある可睡斎の便所は中央に「烏枢沙摩明王」が祀られています。

仏像が在っても無くても奇麗な便所は住人の幸福や美しい子供に恵まれるという確信が重要です。                                                     【了】