韮崎タクシーの運転手が自慢していました。韮崎に産まれた偉人に共通する「地元愛」の精神を・・・。阪急電鉄の創始者の「小林一三」もノーベル賞の「大村智博士も」韮崎の生れでした。その自慢をNHKの電波に乗せて全国放送したのが平成27年の連続朝ドラの「花子とアン」でした。お話は韮崎の貧農の娘に産まれた「村岡花子」が生まれつきの文学少女で当時の女性歌人「柳原白蓮」の影響を受け「赤毛のアン」を翻訳し、後半生には「日本女子大」を開校したのでした。そのロケ地が韮崎で行われました。「韮崎民俗資料館」の敷地内にロケのセットを建て、効率的に撮影したのでした。

「花子とアン」のスタッフ写真。背景の藁ぶき農家は「村岡花子」の生家になった農家で、

韮崎民俗資料館の敷地内に在ります。【出典NHK】

「花子とアン」のポスター主演は吉高由里子さんです(出典NHK)

柳原百蓮役は「葉山蓮子」で仲間由紀恵さんが演じました。

韮崎近辺は津川三代学校校舎(藤村式明治時代建築)を初め古い建物や道具が大切に残されているのです。

韮崎市の隣の津川町には藤村式の洋風学校が残されています。黒板にオルガンに机等道具も大切に残されています。

韮崎の住人が韮崎生れの偉人を自慢気に話すのを聴いているのは楽しい事です。故郷の先人を大切に思う気持ちは故郷の古い道具を大事にすることに通じます。日本には「勿体ない精神があった」言われますが。考え方はもっと深く「道具や建物には神(霊)が宿っていて「道具を粗末に扱うと道具の霊が妖怪になって人間に逆襲する」信じられて来ました。最も顕著な例が古代から中世に以降する時期に神社で大事に扱われてきた道具(法具)が夕刻に百鬼夜行すると言い伝えられて来ました。大徳寺の真珠庵に残る「百鬼夜行図」は著名です。

大徳寺真珠庵の百鬼夜行図法具が妖怪になって人間に復讐します。

故郷の先人を敬う精神と先人の使った道具を手入れする気持ちは同じ事と思うのです。

「花子とアン」のロケセットに使った農家の庭には外便所が設えてありました。外便所は野良仕事をしていた時に便意を催した時便利なこと以上に人間の排出物が野菜の肥料になる「循環の思想」に基づきます。究極の「エコ」の思想です。

「韮崎民俗資料館」の敷地内に保存された「花子とアン」のロケセットの看板

花子の生家の貧農の家セット

貧農の庭に設えた「外便所」は究極のエコです。

庭の向かいには土蔵があって、此処が教会のロケで使われたそうです。

民族資料館の中には「明治時代の民家の室内」や「花子とアン」で使われた明治時代の衣装やランプが展示されていました。時代は急速に移って人間を待ってくれません。「流行」は何時の時代も在ります。流行が頻繁に変わっても、変わらないモノが在ります。

「韮崎民俗資料館には「花子とアン」で使用した衣装や道具も展示して在りました。

「韮崎民俗資料館に展示された明治時代の民家の居間/台所」

「不易」です。「地域の先人を敬う事」「先祖伝来の道具や技術を伝承する事」も「不易」です。勿論韮崎民俗資料館に展示されている「縄文ラビ像/土偶」もそんな発掘品です。

 

韮崎民俗資料館の土偶「縄文ラビ像」は国宝の仮面のビーナスに似ています。

                                                    【了】