猛暑の日曜日。
横浜tーjoyのドルビーシネマで観てきました!
映画『F1(R)』レビュー|61歳のブラピに教わった「セクシーな年の取り方」
映画『F1(R)』を観終えたあと、僕の頭に残ったのは、疾走するF1マシンのエンジン音ではなく、61歳になったブラッド・ピットの「背中」だった。
その背中には、若さや肉体の力強さではなく、「経験」「諦め」「信念」、そして「矜持」が刻まれていた。
■ 自分に正直に生きる男の美学
ブラピ演じる元F1レーサーの主人公は、一度はレースを去りながらも、若きチームメイトの影に隠れつつ、陰ながらチームを支える。
口には出さず、手柄も立てず、ただ「自分の責任」を果たす。それがどれほどの愛と覚悟によるものか、僕たちはその沈黙の表情から察するしかない。
彼は無茶をする。自分を痛めつけながらも、遠回しに後輩を支える。そして、ここぞという時にだけ、牙をむく。
それは怒りではない。生き様の発露なのだ。
■ 目先の勝ちに執着しない、だからこそ強い
映画のクライマックス、彼は目の前の勝負に固執しない。代わりに、後輩に道を譲るように見える場面すらある。
それは敗北ではない。
自分が過去にできなかったことを、次の世代に託す。
それがどれほど難しいことか。どれほどの勇気と誇りが必要か。観客席で思わず息を呑んだ。
■ セクシーな年の取り方とは何か
この映画の真の主題は、F1でもスピードでもない。
それは「年齢とどう向き合うか」だ。
ブラピは若いころのような派手さや無敵感は持っていない。だが、渋さ、静けさ、そして奥行きがある。
老いることは、衰えることではない。深くなることだ。
彼はストイックに努力し、自分のスタイルを貫きながら、派手さとは無縁の仕方で、最高にセクシーな歳の取り方を見せつけてくれた。
■ まとめ:僕らはどう歳を重ねるか
映画『F1(R)』は、単なるレース映画ではない。
これは、「生き方の美学」の映画だ。
・無茶をしながらも、他人を支えること
・キレるべき瞬間を知っていること
・目先の勝ちより、大きな価値を選ぶこと
・何より、自分に正直に、ブレずに生きること
そんな人生を走り抜けた61歳の男が教えてくれる。
「かっこよく年をとる」って、こういうことなんだ。