本日は二一首目から三十首目までをご紹介します。

白内障進行しているジムの眼はジャンプの指示を時に見落とす
容赦なくストロボを焚く観光客をあしらう術も心得ているジム
ドルフィン・セラピー知らぬ私も何となく心の奥が暖かくなる
三年も通えばジムもわかるのかスパイホップをすることもなく
親子連れに交じって「大きい友達」がはじめて触れたジムの胸鰭
ジムの持つ僕らと同じ体温に不意に涙がこみ上げてくる
震災に水族館は休館し日に夜に想うジムの体調
アザラシとラッコ相次ぎ亡くなってああジムだけは生き延びてくれ
ジム達の顔が浮かんでツナ缶にドルフィン・セーフの表示を探す
水族館三十周年イベントを目指してジムはクレーンに乗る