配達終了後、オフィスに仕事の荷物を下ろす。当直の着ぐるみはシャッターすら開けていない。取りあえず一喝して浜田の見性寺へ急ぐ。

寺に着くと見覚えのある巨体。愛好会のK先輩。

「お前の寺もここなの?奇遇だな」

受け付けには奨励会のK三段のお父さん。檀家名簿の住所変更を済ませ、手早く墓参り。

サンロード前のローソンで昼食を買い、店を出ようとするとオダギリジョー似のイケメンに声を掛けられる。愛好会の運行統制、Y君。そういえば職場はこっちだっけな。

何とか9時30分、滑り込みでオフィスへ戻る。団扇片手にソファに大の字の着ぐるみ。

「…何だ?電気も点けないで?」

「節電です」

「何でお前が原発再開のキャンペーンに乗るんだ?ちゃんと新聞読め。電力不足は東北電力管内では事実だが、東電は電力が余ってるんだ。融通してくれてるだろ」

「でも…」

「あ~、ったく!オフィスのPCや複合機まで止めやがって!仕事する気あんのか?ここは年中無休、24時間営業なんだぞ」

「僕、解任されましたし、何もすることが…」

「だったら俺達に迷惑掛けんなよ。それとデスク片付けろ。私物撤去!ここはお前の部屋じゃない!仕事場だぞ」

一事が万事こんな調子なのだ。

今日私は日直。とはいえ盆の最中に来客や電話はほとんどなく、某財産区議会から依頼された開拓水道組合廃止(3・11で送水管が破断したため)の報告書作成・回覧文書の印刷程度。

「こういうのは村の人間は苦手でな…。キムさんにしか頼めないんだよ」

と言う訳(どういう訳だ?)で、予めオフィスへ許可を得ていた文芸コンクールの賞状と葉書の印刷に掛かる。何枚かミスコピーが出たため後で買い足す羽目に。県の予算厳しき折、これは自腹。

ちなみに作業中のBGMはドナルド・フェイゲンの「ナイトフライ」。

17時、新聞担当のOさんと当直のYさんに任務を引き継ぎ、帰ろうとすると電話。コスモポリタン経営の同級生Kちゃんから。先日ねぶた運行前に仁義を切りに行った、あの店である。

「Aも帰って来たし、今日は貸し切りにするから、飲みに来てくれ」

年末のクラス会の運営で一部が揉めたらしく(私はどちらにも荷担せず)、今年は二つのグループに分かれて開催。

ちゃんと「蝋人形の館」歌ってやっから、両方出る学級委員長の身になって(爆)、早く仲直りしてくれ…。お互いいいトシなんだからさあ…。