
1972年、ロサンゼルスで結成されたユニット、スティーリー・ダンは、本来東部のアーティスト。決して当時流行のウエストコースト系ではなく、むしろジャズやフュージョンの流れに属する異端のロックバンドだ。
アルバム「キャント・バイ・ア・スリル」
(youtubeはセカンド・シングル「Do It Again」)でデビューする前、ABCのソングライター兼スタジオ・ミュージシャン時代に製作されたデモテープは、ブートレッグを経て、現在はハーフオフィシャルや公式盤として聴くことが出来る。
写真は上から1993年、ドナルド・フェイゲンのセカンド・ソロ「カマキリアド」の頃にテイチクから発売された「オリジナル・スティーリー・ダン」。左下は1996年発売のハーフオフィシャル「スティーリー・ダン・ロック・シリーズ」、右下は1983年リリースされたブート「スティーリー・ダン・フューチャリング・ウォルター・ベッカー&ドナルド・フェイゲン」である。三枚はほとんど同じテープが元だが、1996年盤は新しい発掘音源も豊富だ。
グラミー賞受賞作「彩(エイジャ)」(亡き山口小夜子さんのジャケットが印象的。標題曲をyoutubeでどうぞ)
のような精密性はまだないが、後にリリースされた「ブルックリン」「パーカーズ・バンド」「エニー・ワールド」、
そして「バリータウンから来た男」の原曲が聴ける。既にデニー・ダイアスも参加しているようだ。「ブルックリン」
のギターには、驚くなかれエリオット・ランドールも参加している。