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先に紹介したうちにあるビートルズの「ゲット・バック」のブート。ジャケットが珍しい。学生時代、東京の大学に通う友人(現:穴研の相方)の下宿に遊びに行った帰り、西新宿のブート屋で買った(当時は中古でも○万円はした)。LPなので、現在私は聴くことが出来ず、もっぱらそれを録音したカセットを、さらにMDに録音したものを聴いている。曲目はこんな感じ。

A面
1.Get Back
2.The Walk

3.Let It Be
4.One After 909
5.Teddy Boy

6.Two Of Us
B面
1.Don't Let Me Down
2.I've Got A Feeling
3.The Long And Winding Road
4.Dig It
5.For You Blue
6.Dig A Pony
7.Get Back(Reprise)

本来の「カムバック」では、A5とB6は入っていないようだ。
「ゲット・バック」のジャケットに関しては古くから様々なヴァージョンがあるが、公式に制作されたものは、これである。以下しばらく某ブート会社の解説を引用・編集した文章を見ていただこう。
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本物は「GET BACK with Let It Be and 11 other songs」と表記されたものに校正の書きこみを行なったものと、それによって制作された「LET IT BE and 10 other songs」と表記されたものしかない。問題なのが「GET BACK」に続く曲名と曲数と内容とのリンクである。

本来『GET BACK』は13曲入り、『LET IT BE』は11曲入りでなければならないのだが、まず、ジャケ写が撮影されたのは69年の5月13日(69年ヴァージョンが完成したのは同月28日)ながら、ボツとなった69年ヴァージョンの『GET BACK』のジャケットは制作されていないか、公には出回っていないと考えるのが自然。

よって、「GET BACK with Let It Be and 11 other songs」は70年ヴァージョンのためのジャケットである。リリースが当初の予定から半年も延期されていた『GET BACK』は、なるべく早くリリースする必要にも迫られていたわけで、先の「GET BACK with Let It Be and 11 other songs」というジャケットはボツになる可能性が低いと、既に制作がスタートしていたのではないかと考えられる。

しかし、実際に70年ヴァージョンが出来上がってみると、「シングルで発表された曲は基本的にはアルバムには収録しない」というバンドの不文律により、「Don't Let Me Down」が収録を見送られたために曲数表示が変更、しかも「Get Back」自体シングル化されていたため、結果として「Get Back」「Don't Let Me Down」の2曲および「Get Back(Reprise)」をカットするため、ジャケットの校正を行なったようだ。

よってグリン・ジョンズは「LET IT BE and 10 other songs」のための作業を頼まれなかったか、取りかかるよりも前にフィル・スペクターの着任決定、もしくは作業が開始(70年3月下旬)されたということもこれで明らかとなった。

つまり、「GET BACK with Let It Be and 11 other songs」は70年ヴァージョンのためのジャケットであり、もし69年ヴァージョンのジャケットが存在するのであれば「GET BACK with(収録曲のうち1曲の曲名)and 10 other songs」と表記をするのが正しいのだ。(以上引用終わり)

ジャケットの問題でも、かなり検証が進んでいることが伺える。

さて、「ゲット・バック」関連で言えば、ハーフ・オフィシャルの「アンサパ5.6.7.8.9」が日本では比較的安価で入手でき、そちらにはトゥイッケナムでのセッションや、ルーフトップ・コンサートも収録されているので、私も最近はそちらをよく聴くし、「リバー・ライン・テープ」もブートでは入手しやすい方だろう。

最近では「ルーフトップ・コンサート」完全版のブートDVD&CDを落札した。到着次第紹介したいと思うが、最近は映画の「レット・イット・ビー」のDVDブートが存在するようだ。公式リリースは、権利問題がこじれ、不可能らしいので、貴重なものだともいえるだろう。