12年前、岩木川原(つがる市木造川除地区)にある祠で撮った馬頭観音の写真を探して、ネガ保管庫を探っているが、なかなか見当たらない。

引退した前年である3年前、私の「遺作」と心に決めて出した作品「六道輪廻」の続編のベースにする予定なのだ。

「六道輪廻」とは鯨幕(お葬式につかう白黒の幕。親の葬儀で使用した)の上に、ポストカード64枚分の恐山首なし地蔵の同じ写真を並べ、その上にモノクロの自分自身の「遺影」を配置した、畳一枚分の写真コラージュ。下に石を賽の川原のように積み、卒塔婆、数珠と線香を置いたもの。

打ち上げで「アンディ・ウォーホールの影響?」と見抜かれ、悔しくて「もう少し生きてみよう」と思った作品だった。(映像はウォーホール主宰のExploding,Plastic,Inevitableです。演奏はVelvet Undergroundの「ユーロピアン・サン」、1966年)


同時に発表した「(民主主義における)リッサの鉄柩」(カラーW四切17枚組3畳)、「LUST(性欲)」(カラー半切7枚組1畳)を合わせた三部構成だった。

今回はその続編を完成させて、連作の一部(もう一編は引退作のリメイク「オーバー・ザ・タイガー・ロープ」(モノクロ・ゼロックスコピー30枚)と決まっている)として、アンデパンダンに出品する予定だ。

明日はラッキーとフジの引き伸ばし機を取り出して、いつでもフジブロ3号の半切を焼ける準備をする。今回のテクニカルな目標は銀塩とデジタル、そしてレントゲンの融合。アートとしての目標は「現代人の心の闇と残酷さ」。

3月22日の毎日杯終了後、本格始動する。