今日の情熱大陸は、竜王戦。

日頃連盟のオフィシャルなものにしか触れない私にとっては、民放の視点は良くも悪くも新鮮である。

あまり棋譜を追わない。両者の対局心理を追う内容。確かに第四局の打ち歩は、今回の逆転劇のハイライトだと思う。

竜王の盟友橋本七段も第四局の解説に登場。この世代のスポークスマン(またはアジテーター)の役割を見事に果たした。

民放の取材はかなり無礼。「鴨の鳴き声、気になりませんか?」って(笑)、鴨なんかより取材の方が間違いなく五月蠅かろう。白河夜船を漕いでいる所など、映して欲しくないはず。

あの無礼なインタビューに淡々と答える両対局者は、やはりトッププロだと思う。

羽生名人はデビュー時から取材慣れしているが(インタビュアーを冷淡にあしらう術も身に着けた)、渡辺竜王にはかなり堪えたようで、「キツいっすね」と苦笑い。今まで身内の観戦記者か棋士仲間の取材しか受けてないだろうから、大変だったと思う。

羽生名人の七冠&婚約の時なんて、こんなもんじゃ済まなかった。全日プロで70数日ぶりに負けた(対井上八段戦)だけで「不調」「引退か?」と騒がれたり、理恵さんがファンに殴られ入院したりもしたのだ。「鈍感力」がここで養われたとも言える。渡辺竜王もこれを乗り越えることが、超一流へのステップなのだとも思う。

まあ、将棋の世界を知らない方には面白かったのではなかろうか。