駒の95%は山形県天童市で作られています。

一番お手頃な将棋の駒は、プラスチック(ユリヤ)駒か木の押し駒(スタンプ駒)でしょう。

大会ではプラスチック駒が主流です。

プラスチックの駒は基本的に並(楷書。700円程度)、上(錦旗書または水無瀬書。1000円程度)の二種類です。稀に並では裏が朱書きになっている駒(源平)もあります。

木の押し駒は、材質や書体で呼び名が違います。

100均最大手で売られているのは級材のものです。ちなみに書体は仁寿書、裏は朱書きの源平駒です。

皆さんが真っ先に頭に浮かぶであろうこの仁寿源平駒も、駒の材質が様々あります。

級の次に安いのは樺(俗に白椿とも言う)、次いで楓、槙あたりでしょう。樺の仁寿源平なら300円から1000円前後です。

今日写真に使用した駒は、楓材の比較的しっかりした作り。今なら1500円くらいでしょうか。

木地が黒ずんで、かなり年季が入った駒のようです。

硬めなので桂の折れ盤との相性も良いですね。

仁寿源平は、天童書き駒の書体をルーツにしているのですが、書き駒は継承者が少なくなり、そのため木地にスタンプする「押し駒」が開発されました。

こうなると「工芸品」ではなくプラスチック駒同様「工業製品」です。

現在は同じ押し駒でも、樺材に強く金型を押し当て凹ませ、彫り駒風にした物も多く見られます(書体は黒彫りや楷書)。

これは駒木地が軟らかい樺だから出来ることで、楓では不可能です。

このあたりの駒は大体1500円くらいです。

級や樺(白椿)は、指した時にささくれが気になったり、いびつな木地があったり、また妙に黒ずんだ木地もあり、あまり美的ではありませんし、軽く軟らか過ぎて、指し心地はあまり良くはありません。

次回は書き駒、彫り駒の話を書きます。