何事も、その道の第一人者は背筋が伸びて、体捌きに無駄がなく美しい。

見ていて惚れ惚れする。

武道家なら甲野善紀先生、将棋なら清水市代女流二冠や羽生善治二冠、麻雀なら桜井章一先生だろう。

特に清水先生の指し姿ほど美しいものはない。あのピンと伸びた背中は、つい見とれる。もしかしたら華道や茶道の先生や禅の導師に近いかもしれない。

将棋や囲碁なんかは、対局中の姿勢を矯正するだけで、かなり棋力が上がるという。疲れが最小限になり、集中力に格段に差が出るのだそうだ。

アスリートの歯列矯正やフォーム矯正も、身体の歪みを正してブレをなくし、筋力の最大値を引き出すのだから、同じ意味である。

声楽でも美声を発揮するには、頭頂部が糸で吊られるように意識しながら左右均等に重心をかけ、鼻の裏から額に音を響かせるよう指導される。

囲碁将棋では、盤に置く駒や石が揃わない人には見落としという。私なんかは猫背で正座が苦手、駒や石もグチャグチャになる傾向があって、常に意識していないと、姿勢が崩れ、眼精疲労や腰痛(私には座骨神経痛がある)・肩凝りから集中力を欠くようになる。

背筋を正し、常に正中線を意識する。普段の生活から気をつけたいものです。