築35年の民家改造の木造アパートに住んでいる。風呂なし、トイレ共同、照明は裸電球である。

まるで「めぞん一刻」のようなアパート(響子さんはいないが)。

かといって、住み心地が悪いかと言えば、別に悪くない。むしろ安心する建物である。

昔、単身赴任していた時は、外断熱HP工法オール電化のアパートに住んでいて、それはそれでサラリーマンには便利だったが、今は自由業。時間は自分が作るもの。

今の部屋は、古いとはいえ寒くはないし、若い人が住んでいる訳ではないのでとても静か。

大家さんも他の住人さんも、母の昔からの友達で、気兼ねしなくて良いのだ。

去年の今頃、私は遺産相続を巡って、自分が建てた家を裸一貫で叩き出された。

自分が入院中、妹の申し出で禁治産者にされたのを知ったのはその時のこと。

保証人がいないためアパートが決まらない時は、本当に焦った。ホームレスになる可能性すらあった。拾って下さって、心から感謝している。