8月19日放送のエンディングナンバーはSuchmos(サチモス)の「YMM」(ワイ・エム・エム)。


ラジオネーム・たまねぎ男さんからのリクエスト曲でした。



suchmos


「YMM」とは、彼らのホームグラウンド・神奈川県横浜市の横浜みなとみらいの頭文字をとったものです。7月8日に発売された1stアルバム「THE BAY」=写真=を聴き、番組でアルバムの曲を流したいと思っていたのですが、ナイスタイミングでお応えすることができました。と、いう事で。前回のcero「Obscure Ride」に続き、今回もアルバム勝手にライナーノーツSuchmos「THE BAY」編です。



アルバムの1曲目というのは、とっても大事な曲である。もっと細かく言えばイントロはもっと大事。ミュージシャンはイントロでリスナーにどれだけのインパクトを与えられるか、ということに魂を注ぐ。リスナーはCDショップでの視聴やラジオから流れたイントロ数秒で「ああ、こういう曲か、こういう声か、こういうバンドか」と読み取り、自分が好きかどうかをシビアに判断するのだ。



私も30年近くいろんな音楽を聴き、感情移入することもだいぶ減ってきたが、Suchmosの1stアルバム「THE BAY」の1曲目「YMM」には久しぶりにやられた。イントロのドラムとシンセとギターとベースとスクラッチが絡みあった音に懐かしさと真新しさを感じ、「この音好きだわ!!」という感情が湧き上がり、思わず「うわっ!」と叫んでしまったのはここだけの話(間奏のベースもファンキー!)。そしてそのまま12曲目の「Miree THE BAY ver.」まで一気に聴き入ってしまった。その後もCeroの「Obscure Ride」や他のアルバムも聴きつつ、一日に1回は「THE BAY」の収録曲を聴くという日々が続いている。



Suchmosは2013年1月、YONCE(Vo)、HSU(Ba)、OK(Dr)、櫻打泰平(KEY)で結成。今年5月にTAIKING(Gt)、KCEE(DJ)が加入し現在は6人組。アシッドジャズやヒップホップ、ブラックミュージックなどの影響下にあるサウンドで注目を浴び、今年4月にシングル「Essence」でデビュー。横浜や茅ヶ崎の風景を描いた(ちょっとセクシーな)歌詞に、角松敏生などのシティーポップスの匂いを感じる人も多いはず。ちなみにバンド名はルイ・アームストロングの愛称サッチモから引用(参照・公式HPのBIOGRAPHYから)。



「THE BAY」の3曲目「Miree」はイントロのギターカッティングと間奏の重なり合うコーラスが特徴的(MVも。4曲目「GIRL」には元ズットズレテルズのMC呂布がラップで参加。8曲目「Armstrong」はルイ・アームストロングのようなジャズ、ではなく80年代フュージョンに四つ打ちが合わさったダンスナンバー。9曲目「Alright」は異色の歌詞。♪戦争は儲かるか?平和はゴミか?♪ などの皮肉が込められたメッセージソング。



何はともあれ、Suchmos今後も注目です。できればカーステレオで海沿いを走りながら聴いてほしい。彼らのホームグラウンド・横浜の空気を感じることができるかも・・・。



エフエム岩手釜石支局 千葉東也