【今週の裏解説とは・・・】


釜石支局の音楽好きチバ☆(主に邦楽担当)が「釜石やっぺしFM」で流した曲の基本情報、解説を書きまくる治外法権コラム。ザ・イエローモンキーの中で一番好きな曲は「太陽が燃えている」(1995年発売)。



みなさーん! ロックは好きですか?


ラジオでしゃべっている人ですよー!(ガリガリガリクソン風に読んで下さい)。



yoshii


 


今回は吉井和哉「さらばシベリア鉄道」。ローズヒップさんからのリクエストです。



11月19日に発売されたカバーアルバム「ヨシー・ファンクJr.~此レガ原点~」に収録されています。原曲は太田裕美が1980年にシングルで発売。作曲者の大滝詠一もセルフカバーしております。



吉井は1992年にロックバンド、ザ・イエローモンキーのヴォーカルとしてメジャーデビュー。2001年に活動休止、2004年にYOSHII LOVINSONとしてソロ活動を開始。同年7月7日に解散。2006年に名義を吉井和哉に戻し、その後もコンスタントにアルバムを発表し、今年レコード会社を移籍(イエモンでデビューした日本コロムビアのTRIADレーベルに復帰!)し、カバーアルバムを発売。


イエモン時代にも由紀さおりの「夜明けのスキャット」をカバーしていたこともあるが、ここまでがっつりとカバーに向き合ったのは吉井のキャリア史上初めてかも。



同アルバムには「さらばシベリア鉄道」のほか、美空ひばり「真赤な太陽」、ピンクレディ「ウオンテッド(指名手配)」、沢田研二「おまえがパラダイス」、内山田洋とクール・ファイブ「噂の女」、来生たかお「夢の途中」、荒井由実「あの日に帰りたい」、弘田三枝子「人形の家」、あがた森魚「百合コレクション」、森進一「襟裳岬」の10曲と、オープニングとエンディングにはインストの「SPNNING TOE HOLD」(オリジナル・クリエイション)を収録。



此レガ原点というサブタイトル通り、原点を確認した上で次のステージに向かおうとしているのか。1月にはシングルも発売されるので、さらにパワーアップした吉井に期待!




以上、そんなこんなで、今週の裏解説でしたぁ。



エフエム岩手釜石支局 千葉東也



【おまけ・今週の「実はカバーだったの!?」という話】


吉井和哉のカバーアルバムを取り上げたので、今回はオリジナル曲とカバー曲についてつらつらと書き記します。



有名なところでは、80年代に大ヒットしたバナナラマの「VENUS」(1986)。ユーロビートに乗せたアレンジで大ヒットしましたが、


オリジナルはオランダのロックバンド・ショッキングブルーが1969年に発表。


コント番組「笑う犬の生活」オープニングテーマで使われていました。



そして、ビートルズ初期のロックナンバー「Twist And Shout」(1963)。


これも実は1961年に発売されたアメリカのR&Bグループ・トップノーツがオリジナル。


翌年の62年にアメリカのファンクバンド、アイズレー・ブラザーズがカバーしており、ビートルズのカバーはアイズレーのバージョンに近い。



Stephen Stills


アイズレー・ブラザーズは「Twist And Shout」のほか、キャロル・キングの「It’s Too Late」など自分色(ファンク、R&B、ソウル)に染めたカバー曲も多数ある。


その中でも代表曲といえば「Love The One You’re With」(1971)。TOKYO No.1 SOUL SETが「黄昏‘95~太陽の季節」で同曲をサンプリングしたり、オリジナル・ラヴは「ブロンコ」という曲でコーラス部分を借用したり、クラブでもよく流れていたので聞き覚えのある人も多いと思われるが、実は同曲もカバーだった。


オリジナルは、アメリカのシンガーソングライター、スティーブン・スティルス=写真=60年代から70年代にかけてバッファロー・スプリングフィールド、クロスビー、スティルス&ナッシュなどのバンドでも活躍。同曲は1970年に発表され、フォークロックのテイストが強い。



カバーというよりリメイクといえば、尾崎紀世彦の「また逢う日まで」(1971)。元々は60年代に活躍していた日本のグループサウンズ、ズー・ニー・ヴーがシングルで発売した「ひとりの悲しみ」(1970)。作詞はどちらも阿久悠が手がけているが、歌詞は若干変わっている。



カバーとオリジナル、あなたはどっちが好き?