更新が遅れて申し訳ございません。

225日(土)に発行された復興釜石新聞第71号を紹介します。



1面は、釜石市が市内の公共施設や集会所など93施設の放射線測定結果を公表した記事を掲載。


岩手県と釜石市は、日常生活の追加被ばく線量の目標を年間1ミリシーベルトとし、低減措置は空間線量率が毎時1マイクロシーベルト以上の場合に行う。測定方法は、各施設の駐車場、入り口、側溝、雨どい、公園内の広場など数カ所のポイントを決め、地上5センチ、50センチ、1メートルの高さで、それぞれ30秒間、5回ずつ測定。平均を測定値とする。

 測定結果は

○不特定多数が利用する公共施設(17施設)006033マイクロシーベルト

○公園など(19カ所)006014マイクロシーベルト

○集会所など(27施設)006065マイクロシーベルト

○小・中学校(11施設)006050マイクロシーベルト

○保育園など(19施設)007073マイクロシーベルト

 で、いずれも被ばく線量目標値、除染など軽減措置を実施する目安を大きく下回った。




2面は、劇作家の平田オリザさんを講師に迎えたワークショップの記事を掲載。


「いわて三陸復興のかけ橋~新しき明日へ向かって」(いわて未来づくり機構など主催)と題し、被災者の自立性を回復し、地域社会のつながりを養うことが目的。219日、釜石市新町の県釜石地区合同庁舎で開かれた。


大阪大学教授でもある平田さんは「新しい広場を作る」と題して講演。

「被災地への財政支援が今後5年から10年の間に3040兆円にも上るといわれる。当然のこととは思うが、一方でお金が入るほど地域の自立を妨げる恐れがあることも心しておかなければならない」と指摘。

キーワードとして示したのは、「誰かが誰かを知っている社会」。強固な共同体にうんざりしている若者が多いという現実の中で、「多様なメニューを用意し、緩やかにつながるネットワーク社会に編み変える必要がある」と指摘した。

さらに「観光は文化の総力戦。自分たちが楽しくなければ、よそから人は来てくれない。そういうまちを作るためにはソフトの地産地消が重要だ」とした上で、「震災で分かったのは、東北が東京の下支えをしていたということ。岩手のための人材を作って行かなければ同じ過ちを繰り返す」と強調した。




3面は、盛岡市生まれの彫刻家・舟越桂さん(60)が220日から5日間、釜石市内の5校で自作の移動作品展を開いた記事を掲載。


それぞれの会場で木彫、ブロンズ、粘土の彫刻作品とデッサンの20点を展示。

舟越さんは作品に近づいて見入る児童や生徒らに気軽に話しかけ、交流を重ねた。

「東京にいて震災にショックを受けた。体調を悪くし、すぐに動けなかったが、できることは何か考えていた。子どもたちに私の作品を見てもらおう。子どもたちの(心の)豊かな種になってくれるかもしれない。開催時期だけは間違わないようにしようと思った」と舟越さん。



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