218日(土)に発行された復興釜石新聞第69号。



1面は、大槌町の工場が津波で被災し、釜石市鵜住居町の県立釜石北高校跡地に新工場を建設して再出発することになった水産加工会社の津田商店(本社釜石市)と双日食料水産(本社東京都港区)が214日、釜石市と工場立地協定を結んだ記事を掲載。


調印式は釜石市役所市長室で行われ、津田商店の津田保之社長は「事業の発展、成功が復旧・復興への一番の貢献と自覚し仕事に励みたい」、双日の吉永孝社長は「地域に根差した仕事をしていきたい」と抱負を述べた。野田武則市長は「操業再開は雇用の受け皿となり、多くの市民に希望を与える」と同市への移転を歓迎した。

津田商店は震災前と同じく、大手水産会社向けの缶詰をOEM生産するほか、学校給食向けの調理冷凍食品を製造する。工場は3月末に完成し、4月から稼働開始の予定。当面は210人の従業員で再開し、震災前の規模(約230人)に戻す。

双日食料水産は総合商社双日の100%出資子会社で、1989年から大槌町で操業を始めた。震災前に製造していたすしネタはやめ、サケフレークに絞って生産する。工場はすでに完成しており、31日から本格稼働する。震災前は132人の従業員を抱えていたが、当面は100人で再開。



2面は、木質バイオマスなど再生可能なエネルギーについて知ってもらおうと釜石市が企画した「森林間伐材調達体験ツアー」が214日、釜石市平田の山林で行われた記事を掲載。


ツアーは、総務省が進める「緑の分権改革」調査事業の一環。間伐など森林整備の現場を市民に見学してもらい、間伐材などの木質バイオマスの利用拡大に向けた取り組みや身近なエネルギーの一つであることを体感してもらうのが目的。

ツアーには市民6人が参加。釜石地方森林組合の組合員から間伐材調達の現場や業務内容などの説明を受けた後、平田地区の民有林で森林間伐の一連の作業を見学した。鈴子町の鈴子公園内に設置された復興ハウスでは、間伐材を燃料として湯を沸かす「バイオマスボイラー」も見学。湯を用いた足湯の体験も行われた。

甲子町から参加した加藤良司さんは「全国で初めて導入された最新鋭の機械で作業が効率的に行われていて素晴らしい。若手が頑張っているのもうれしい。間伐材を使う取り組みは一つのアイデアで、小規模でもいいのでいろんな地域に普及し、みんなで温まってほしい」と期待を込めた。




3面は、釜石市出身の池田肇さん(釜石応援ふるさと大使)が首席オーボエ奏者を務める東京交響楽団が331日、釜石市甲子町の釜石高校体育館で東日本大震災被災地支援コンサートを開くことになった記事を掲載。


213日、楽団委員会議長の小林照雄さんと事務室長の中塚博則さんが釜石市役所を訪れ、野田武則市長に経緯を報告するとともに、演奏会場の準備など受け入れ態勢の協力を求めた。



コンサートでは65人のフル編成でドボルザークの交響曲第9番「新世界」を演奏するほか、池田さんのソロでアルビニーノの「オーボエ協奏曲」も聴かせる。入場は無料。全席自由で約1千席を用意。入場整理券は2月下旬から釜石市役所や各地区生活応援センターなどで配布する。



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