28日(水)に発行された復興釜石新聞第66号。




1面は、アーティストで東京芸術大学教授の日比野克彦さんらが21日から3日まで、釜石市大只越町の青葉公園仮設商店街で色どり祭りを開いた記事を掲載。

東京都が公益財団法人東京都歴史文化財団と共催し、被災地に対して芸術文化活動の提供やアーティストの派遣などを行う「東京緊急対策2011」の一環。日比野さんが東京芸大、多摩美大、法政大から8人の学生が集まった。

素材メーカーが提供した10色のマグネットシートを学生らが10センチ角のタイル状に切り分け、2万枚を用意。商店街の人たちや一般市民にも参加を呼びかけ、仮設商店街の壁に自由な発想で張り付けた。

「美術には絶対的な答えがない。子どもにしか描けない絵もある。そういった美術の面白さを街づくりの物差しとして生かせないかと考えた」と日比野さん。

仮設商店街の片倉静祐会長は、灰色の地色がカラフルに彩られていくのを見て「この企画で商店街に一体感が生まれ、にぎわい創出にもつながれば」と期待する。





2面は、釜石シーウェイブスRFC26日、新シーズンに向けたチーム練習を開始した記事を掲載。

釜石市甲子町松倉のクラブハウスで行われ、午前中にプロ契約選手、夜は仕事を持つ一般選手と時間を分けて行った。

昨季は、所属するトップリーグイーストリーグ・ディビジョン163敗(勝ち点31)の4位。「震災という異常事態の中で、よくやった」との評価もあるが、チャレンジリーグ進出の2位以内に食い込めず、ファンが期待するトップリーグ昇格はまたもお預けとなった。

佐伯悠主将は課題として「意識の問題」を挙げ、トップリーグ昇格という目標が“お題目”になっていないか、血反吐を吐くほど練習したか―と心の底に潜む甘さを指摘する。このほか、「キャノンの昇格が決まり、クボタも復帰しそう。SW昇格の環境が整い、期待の高さをひしひしと感じる」とした上で「ラグビーをやってきた中で今年が最大のチャレンジの年になる」と語った。





3面は釜石市からのお知らせ。4面は、25日に県立釜石高校体育館で開かれた岩手県吹奏楽連盟釜石支部主催の釜石・大槌地区吹奏楽祭の記事を掲載。

中学生から社会人まで約160人が出演。震災を乗り越え、息の合ったステージに観客から惜しみない拍手が送られた。

中学校の部は釜石、大平、釜石東、大槌、吉里吉里の吹奏楽部約80人が「大草原の歌」など3曲を披露。ドラマ主題歌でもおなじみ「マル・マル・モリ・モリ」ではダンスも飛び出し、会場を盛り上げた。津波で楽器を失ったり、練習時間が思うように取れなかったりとさまざまな制約の中で活動してきた各校。津波で校舎が3階まで浸水した釜石東中は、間借りする釜石中の協力と全国からの楽器支援を受けて活動を再開できた。吹奏楽部の古川真衣部長(2年)は「いろいろな支援があって今日このステージに立てた。これからも感謝の気持ちを持ちながら、がんばっていきたい」と話した。

高校の部には釜石、釜石商工、大槌から約50人が出演しAKB48の「フライングゲット」「エル・カミーノ・レアル」など3曲を演奏。

一般の部には釜石市民吹奏楽団が出演し、幻想曲「幼い日の思い出」「踊りあかそう」で観客を楽しませた。

合同の部では出演者全員が心をひとつにして「陽はまた昇る」「上を向いて歩こう」を演奏。客席も一体となり、未来への希望に包まれた。



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