11月23日(水)に発行された復興釜石新聞第46号。
 
釜石新聞46号
1面は、釜石市箱崎町の住民らが立ち上げた「まちづくり実行委員会」の初の地区懇談会が11月17日に行われた記事を掲載
実行委員会は町内会や釜石東部漁協。
各種団体の代表ら約20人で構成。
懇談会で示されたまちづくりの三原則は……
 
(1)津波や台風でも冠水しない道路の一刻も早い建設
(2)防潮堤の建設より高台移転を優先
(3)箱崎半島の全集落が利用できる施設

 
……の建設―の3つ。
釜石市が示した高さ14・5メートルの防潮堤の建設案については……
 
「居住用地を最大限に確保できる一方、莫大な費用と時間がかかる」
 
……と説明した。
方向性として出されたのは「高台移転」。
現在の防潮堤はそのまま生かし、標高10メートルの所に高さ4・5メートルの第2防潮堤を築き、内側に3・5メートル高の道路を建設する案
懇談会では、高台移転には賛成という声も多かったが……、
 
「元の地区ごとにまとまって家を建てられるか」
「前に住んでいた土地と同じ面積が確保できるか」
「地権者の承諾は得られるのか」

 
……などの不安も出された。
同町は震災前、約230世帯あったが、町内の仮設住宅生活者を合わせても105世帯にとどまる。
 
釜石新聞46号
2面は、当番組やブログでも紹介した醤油ロールや二足歩行型ロボットASIMOのほか、釜石市箱崎町白浜地区で11月19日に行われた白浜復興イベントの記事を掲載。
イベントは同地区の笹山奈奈子さんが地域の女性たちに呼びかけ実現。
鵜住居町の田郷鹿子踊が舞を披露したほか、炊き出しも行われ、住民らを元気づけた。
笹山さんは……、
 
「地区住民が市内各地の仮設住宅に入るなどばらばらになってしまったので、みんなが集まれる機会を作りたかった。白浜の良さを思い出して、またここに戻ってきてほしい」
 
……と話した。  
釜石新聞46号
3面は、写真と絵画の展示会を掲載。
釜石市の美術集団「サムディ45」の第45回記念展は11月18-20日まで鈴子町のシープラザ遊で開かれ、18人の会員が絵画やデザイン、工芸など90点を出品した。
同展は毎年10月に市民文化会館で行われていたが、今年は津波で同館が被災したため会場を移して開かれた。
「サムディ45」は1967年に結成
メンバーが最初に集まったのが土曜日だったことからフランス語の土曜日「サムディ」と沿岸の美術愛好者をつなぐ意味で国道45号にちなんだ名称にした。
結成当初から在籍している小田島凌一さんは……、
 
「今年はできないのではと思っていたようだが、出品を呼びかけたところみんな応じてくれた」
 
……と話す。
写真が好きな人なら誰でも自由に出品できる「フォト・ライフ写真展」は19-23日まで大町の工房「第一美工」で開かれた。
会員ら31人45点が出品し、震災はあったものの、釜石周辺の変わらぬ美しい風景をはじめ、さまざまなイベント、家族のスナップなど日常生活をさりげなく切り取った写真が並んだ。
震災で会員3人が犠牲になり、広告美術業を営む多田国雄代表は仕事場も兼ねた自宅を失ったが、「続けることが、震災で亡くなった仲間の何よりの供養になる」との思いで開催にこぎつけた。
 
T-チバ☆