9月21日(水)に発行された復興釜石新聞第28号。

釜石新聞
 1面は、釜石市の復興計画に市民の意見を反映させようと募集した「私が考える復興プラン」作文の感謝状贈呈式を掲載。
 作文の募集には、釜石中学校3年生113人のほか、市内外27人の計140人が応募。
 野田市長は出席した10人に感謝状を手渡し……、

「復興プランの策定作業はやや遅れているが、明るく希望のある復興計画にしたい。みなさんから頂いた提言は必ず復興プランに反映させたい」

 ……とあいさつ。
 出席者による意見交換会では……

「災害時のけが人や病人の搬送を考えるとミニ飛行場が必要」
「ハード面防災よりソフト面の充実。湾口防波堤もほどほどで良い」
「面倒見の良い人ほど津波で亡くなった。津波は自分から先に逃げることを代々伝えるべきだ」
「変化する生活に寄り添う支援体制を」

 ……などの意見が出された。
 審査委員の東京大学社会科学研究所所長の玄田有史さんは……、

「釜石には希望のヒントがたくさんあるが、うまくつながっているとは言い難い。点を線に、線を輪にしていく発想が必要」

 ……と指摘。
 復興まちづくり委員会のアドバイザーの作家・重松清さんは……、

「内と外の思いを込めたプランには説得力がある。釜石の底力を見た思いがする」

 ……と評価した上で……、

「マラソンなら差が開き始める時期。取り残される人を置き去りにして復興はできない。一番後続を行くグループをフォローする目線を持ってほしい」

 ……と求めた。

釜石新聞
 2面は、国の共同利用漁船等復旧支援対策事業を活用して購入した漁船の進水式を掲載。
 漁船は、唐丹町漁協所属、唐丹町花露辺の佐々木辰徳さん(64)、武さん(28)親子に貸与したイカ釣り船・第21豊辰丸。
 釜石湾漁協所属、新浜町の藤佐隆夫さん(51)の新造船・海物語の2隻。第21豊辰丸は、島根県から購入した中古船で、全長23メートル、総トン数19トン。
 鳥取県、青森県八戸市、大船渡市で補修工事と機械購入を行った。
 4月に入って漁再開の意思を漁協に伝え、仲間とともに北海道から四国まですぐ操業できる中古船を求めて探し回った武さんは……、

「自分が一番若いので真っ先に復興したい気持ちがあった」

 ……と振り返る。
 新造船の海物語は、FRP製の23フィートタイプ(全長7メートル)。
 船は釜石湾漁協が所有し、藤佐さんは漁協から借り受けるかたちで管理責任を負うが、使い方は自由。
 藤佐さんは……、

「多くの仲間に船がなく、まだ(喜びは)言えない。これから1、2隻と徐々に増えればいい。この船は、仲間のものだ。大切に使わせてもらう」

 ……と語った。

釜石新聞
 3面は、新日鉄釜石ラグビー部のフォワード最前列の左プロップとして日本一7連覇を支えた石山次郎さんの講演を掲載。
 現在は、震災後の釜石シーウェイブスRFCを支えようとV7メンバーを中心に立ち上げた「スクラム釜石」の代表を務める。

「社会人時代は、高校日本代表候補だった相手や都会の連中をギャフンといわせるのが一番だった」

 ……と反骨魂を語り……、

「代表には洞口孝治さん(故人)がふさわしかったが、一緒にスクラムを組んだ私しかいない」

 ……と代表就任の経緯を語った。

「『ラグビー釜石』という言葉がとんでもなく大きくなりつつある。みんなが釜石でワールドカップをやろうと言っている。8年後、釜石から世界に向けて復興の感謝を発信したい」

 ……と講演を締めくくった。

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