女性との縁がないまま30代後半に突入した榎本さんであるが、結婚願望は強く抱いていた。

 

結婚生活イコール幸福という短絡的な期待感だけではなく、母親を安心させたいという気持ちがあった。母親は口癖のように「早く孫が欲しい」と言っていた。そのたびに榎本さんは、長男として何とかしてあげたいと思った。実家で飼っている犬を可愛がっている母親の姿を見ると、なんとも切なくなり、母親が元気なうちに孫をつくって喜ばせる使命感を感じた。

 

大企業で海外駐在員をしている弟はまだ独身だったので、その点だけは兄として負けたくはなかった。

 

しかし自信はなかった。まず結婚を成し遂げるには妻子を養える経済的安定がなければいけないと思い込んでいた榎本さんは、所得が低かったので、絶望的になった。

 

私大の夜間部を卒業してから中堅メーカーに就職したが、上司との人間関係でトラブルが生じて数年で退職した。その後も会社内でのいじめ、体調不良などの理由で何度も転職した。

 

社会生活に適応できないことのストレスで、しばしばノイローゼや不眠症になった。精神安定剤や入眠剤は手放せなくなった。「こんな状態で結婚して、妻子を食べさせていけるわけがない」と落ち込んだ。

 

それでも彼は執念深く結婚相手を探し続けた。結婚相談所は敷居が高くてプロフィールで蹴られてしまったが、個人情報誌の「恋人募集コーナー」は代金さえ払えばプロフィールを載せてくれるので根気よく続けた。

 

当初は「たくましい男」「さわやかな男」を演出していたので返事は多かったが、実際に会ってしまうとふられてばかりだった。そこで開き直って見栄を張らず、自分のことを正直に書いた。さすがに授乳フェチについては触れなかったが、情緒的に不安定であること、仕事が冴えないこと、女性と縁がなかったことなどをありのままに告げた。

 

そしてもちろん、「こういう僕だからこそ、人の痛みがわかるのです。こんな僕とおつきあいしませんか?」と売り込みも忘れなかった。すると一通だけ、「そういう男性を探していたのです」と手紙が来た。

 

さっそく返事を書いてデートの約束をした。彼女は榎本さんと同年齢で、家事手伝い中とい うことだった。

 

「予想以上にきれいな女性だったのでびっくりしました。いつもだとガチガチに緊張して貝のようになってしまうのだけれど、不思議に彼女の前だと最初からリラックスできて、調子よくいろいろな話ができたんです。彼女のほうも同じだったみたいです。『私はマッチョな男性が嫌いなの。あなたみたいな人のほうが安心できる』と言っていました」

 

弱い男であることが功を奏したのだ。その後トントン拍子につきあいが進み、互いの両親に

も紹介して承認をもらい、知り合って半年後に結婚した。

 

「結婚は最大の夢でしたから、ようやく叶ったと思いました。あの頃は幸せに対して何の疑いもなかったですね」

 

新婚当初は順風満帆だった。新妻は「あなたの給料だけでは心配だから」とパートで働き始めた。そのうえ家事にも熱心だった。榎本さんにとっては女性に手料理をつくってもらい、ふたりだけで食事をするのは格別の思いだった。いつでも食欲旺盛なのでふくよかになり、会社では「幸せ太り」とからかわれた。精神安定剤や入眠剤などを服用しないで平気になった。

 

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