月の糸
手繰り寄せ廻す


冷たい花は音もなく
衣地の上に降り積もる

隠れた
月の様に輝き
触れようとすれば
白い霧
立ち込めて
恐怖も知らぬ無の心地

怠惰に咲く花
悪戯に嘲笑えば


愛を欲しがる人
奪う人


不浄の血に染め代えて
罪の知れない色で誘って 
夢浮舟
一輪浮かべて