何気ない言葉に揺れて

傷ついた赤い薔薇

雨雲も迫らぬ抜けた空の下で
閃光と雷鳴に叩きつけられたみたいに
足も竦むけれど

そっと伸ばし蔦に触れる
戻らぬと呟いた廃屋の壁に
そっと伸ばし追憶に触れる

何も言わず瞬いた瞳の奥
ずっと遠くに君の姿探す 
目を閉じて開かれた知らぬ世界で
ずっと遠くに君の声を探す

不確かなノイズの揺らぎ
足元の陰に心を落として
救い上げるても失ったような顔で
あの晴れた日に立ち尽くしていたのは僕?

名前すら失った様な姿で
鏡を見ても知らない顔
街を見渡しても知らぬ人の群れ
迷う僕はただ、君を失えず
忘れられず、佇む

そっとそっと開いた君の翼の中で
誰も知らない物語の中で
そっと開いた君の夢の中で
ガラスのオルゴールが鳴り響いた

ずっと隠していた秘密を寄せて
伏せられた記号に命を吹きかける
ずっと隠していた翼を開いて
僕らは誰もしれない空を飛空する

夢や愛や哀しみの落としてきたもの全て
青い星の美しいままの総てを
君がいる世界の意味を 
喜びの訳と繋いだ糸を光にして
君の瞳に宿る赤い薔薇を
香りを抱きしめる様に
取り戻す