おかあさん 僕が天国に行って 明日で1か月経つね

一か月前の今日の夜11時半から 僕は苦しくなったんだ

お母さん その時間になっても泣かないでね

 

僕はそのころ体調あまり良くなかった

おかあさんは口内炎のせいだと思って

全抜歯手術してくれたけど

それだけではなかったんだ

 

おかあさん 僕がおうちに上がった頃と

顔つきが変わったの気づいていたよね

おうちに上がった頃は まん丸お顔だったけど

だんだんと逆三角顔になっていったよね

目つきも変わったと思う。。。。

 

だって僕体調よくなかったんだもの

階段上がるのだって 一歩ずつだったの

おかあさんが心配そうに見ていたの 僕知っているよ

だから おかあさんに心配かけないように

僕 頑張ったんだ 

大丈夫なふりしたんだ

 

僕がご飯食べなくなって

おかあさんは心配してくれた

いつも僕中心になったよね

僕 やっとおかあさんが僕のこと見てくれたって

とってもうれしかったよ

 

一年前 おかあさんはさくらちゃんに一生懸命だった

さくらの口内炎はひどかったよね

さくら さくら さくら。。。。

僕は放っておかれた

勇太が遊んでくれたけど

香織姉ちゃんも優しくしてくれたけど

僕は寂しかったよ

 

僕が小さい声で何か言っても

おかあさんは 気が付かないのか 無視したのか

おかあさんは 答えてくれなかった

 

勇太がお布団カバーをびりびりに破いちゃったので

僕もお母さんのお部屋に入れなくなっちゃったよね

 

僕 お昼間 おかあさんのお部屋の窓から外を見たり

おかあさんのおふとんで おかあさんと一緒にいる気分で

眠るのが大好きだったんだ

 

だから 毎朝おかあさんが出かける時に

おかあさんのお部屋の前にいって

おかあさんが僕が中に入るのを許してくれないかな~って

待っていたけど だめだった。。。。

 

悲しかったよ

僕はあまり騒いだりするの好きでない

一人で のんびりゆっくりするのが好きなんだ

 

おかあさんのお部屋で

おかあさんのベッドにもぐりこめれば

のんびりできるのに おかあさんは許してくれなかった

 

大暴れ勇太と お転婆さくらと一緒だと

ぼく つらかった。。。 

香織姉ちゃんが あまりに大騒ぎがひどい時は

勇太とさくらから僕を守ってくれたけど

僕 ほんとに ゆっくりできたらな~ と思っていたよ

 

僕の居場所はどんどんなくなっちゃった

リビングの出窓も ソファの上も

大好きな香織姉ちゃんの横の席も

ぜんぶとられちゃった。。。。

 

ぼくは喧嘩とか嫌い

だから 何も言わずに去るだけ

 

お母さんがお仕事から帰ってきた時

僕はドアの一番前でいつも待っていた

この時だけは 積極的だった

 

だって おかあさんに会いたかったから

会いたかったんだよ おかあさん。。。。

おかあさんには「出ちゃだめ!」っていつも叱られたけど

外にでたかったんじゃない

おかあさんが帰ってきたのがうれしくて

おかあさんのそばに 真っ先に行きたくて 待っていたんだ

 

おかあさん 僕こんなことになっちゃってごめんね。。。

一か月前の今 この時間は

おかあさん 病院に行って 看護師さんとお話ししていたんだよね

 

「銀次はもう大丈夫

今まではクールな銀次くんだったけど

とっても甘えん坊になって ますますかわいいの」

 

そして 病院の美味しい特別ご飯も

たくさん買ってきてくれたんだよね

 

 

ぼくね わかっていたんだよ

もうここにいれなくなることが。。。。

 

だから おかあさんの思いに答えたかった

おかあさんに甘えたかった

 

おかあさん やっと僕のことを一番に思ってくれるようになった

銀次 銀次 ぎんちゃん

いつも呼んでくれるようになった

 

ぼくには特別のごはんをつくってくれて

僕の好きなお部屋にも 僕だけ特別に入れるようになって

それから 夜は一緒に寝てくれるようになったね

 

寝る時おかあさんはいつも言っていた

「幸せ 最高に幸せ~」って。。。。。

 

ぼくもそう思っていたよ

「幸せ~ やっと幸せになれた」って。。。。

 

最後のごはん おいしかったな

ぼくが美味しく食べる姿を見て

おかあさん 大喜びして ぼくをほめてくれたっけ。。。

 

ぼくも おかあさんとのお別れが

こんなに急に来るとは思わなかった

どんどん具合が悪くなっていった

僕 怖かったよ

僕 苦しかったよ

 

おかあさんは慌てていたね

ぼくはまだ生きているのに

おかあさんは病院で泣いていたね

 

おかあさん ごめんね

だけど しかたなかったんだ。。。

 

先生方がいろいろな注射をしてくれて

おかあさんがずっと体をさすってくれて

僕は全部知ってるんだ

麻酔かかっていたって 僕は知ってるよ

みんな僕のために いろいろなことをしてくれたって

 

ぼく頑張ったよ

だけど・・・・・

 

おかあさんが泣いているのを見て

ぼくはつらかった 悲しかった

おかあさん 僕のこと大切に思ってくれたんだね

おかあさんにもっと甘えたかった

もっと一緒にいたかった

 

お母さんがあんなに泣くなんて

あんなに悲しむなんて

ぼくがそんなに大切だったなんて

知らなかった。。。。

 

ぼくね 今知らないおじちゃんがかわいがってくれてるんだ

そのおじちゃん お母さんと猫のことで知り合いなんだって

ぼくがここに来るちょっと前に来たんだって。。

 

とってもやさしいおじちゃんだよ

おかあさんのこと話したら

おじちゃんも泣きだしたよ

ぼく いけないことしちゃったのかな~

 

おかあさんは 僕に会いたいって泣いてるけど

ぼくはもう戻れない。。。

戻りたくても 戻れないよ

 

おかあさん 勇太とさくらをかわいがってあげてね

香織姉ちゃんを大切にしてね

それから かわいそうな子がいたら

助けてあげてね

ぼくにしてくれたように

ほかの子たちにも してあげてね

 

僕は戻れないけど

ずっとおかあさんのこと見ているよ

ほかの子をかわいがっても

ぼくはやきもち焼いたりしないよ

おかあさん 僕の性格知ってるでしょ

 

ぼくみたいに 自己主張できなくて

いつも後ろに下がっていて

なかなか気づかれない子がいたら

ぼくだと思ってかわいがってあげてね

 

おかあさん 僕のところにはまだまだ来なくていいからね

ぼくにはおじちゃんがいるよ

それから 茶色い犬もやさしくしてくれるんだ

ビッケっていうんだよ お母さん憶えてる??

 

おかあさんまたね

おかあさん 今日ちゃんと寝てね

ぼく見てるからね。。。

おかあさん