マウイ・ワルツを聴くたびに
思い出がよみがえる
この曲を聴いて
私はあなたの魅力のとりこになった
あの夜、あなたはこう言った
私をとても愛していると
でも、誰も教えてくれなかった
ダンスが終わると
あなたがいなくなってしまうなんて
マウイ・ワルツが聴こえる
私の腕の中には誰もいない
マウイ・ワルツが聴こえる
でも、私はさみしくない
だって、あなたと一緒なのだから
いつもこの音楽が始まると
お願い、マウイ・ワルツを演奏し続けて
ある夜のライブハウス、Uさんのハリのある声にのって聴こえてくる「マウイ・ワルツ」に聞き惚れてしまった。
「私はさみしくない。だって、あなたと一緒なのだから。いつもこの音楽が始まると」
三拍子のメロディにのって、切々と歌われる物語。
不実な男はここにいない。
でも、私は「マウイ・ワルツ」があるからもうさみしくはない。
Uさんの歌唱力でつれない相手を想う、せつない内容が心を打つ。
「マウイ・ワルツ(Maui Waltz)」の作者は、ボブ・ネルソン(1934~2015)で、この曲は1969年に発表された。
彼はマウイ島出身で、母方から中国、父方からイングランドとスコットランドの血を受け継いでいる。
幼い頃から、音楽や芸術の才能を示してきたという。
高校を卒業後、アメリカ本土のジュリアード音楽院に進み、本格的に音楽を学んだ。
卒業後、ボブはハワイに戻り、たくさんの美しいハパハオレの曲を書いた。
マウイ島ハナレイの美しい月を歌った「ハナレイ・ムーン」も彼の代表曲だ。
また俳優としても活躍し、映画やテレビドラマに出演した。
「マウイ・ワルツ」には、もうひとつ同名異曲がある。「夏が来れば思いだす」という歌詞で始まるジャパニーズ・ハワイアンだ。
真珠湾攻撃のほんの5か月前、昭和16年7月、発売された。
作詞は永田哲夫、作曲はM.K.Moke。戦後のハワイアンブームの人気者、灰田勝彦さんや日野てる子さんなどによって歌われたそうである。
♬ Maui Walts by Peter Moon Band
♬ Maui Waltz by Loyal Garner
参考資料
「Maui Waltz - マウイ・ワルツ」恋をしていた頃の素敵な思い出がよみがえるハワイアン・ソング (MUSBIC.net)
灰田勝彦「マウイ・ワルツ」(Youtube ozisan808)