「早仕掛け」の基本(その16・完) | カクザンのブログ(岡山市の親子将棋教室)

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子どもたち、保護者の方に、将棋の楽しさ・魅力をお伝えします。次回教室は津山おもちゃ図書館教室が10/6(日)、高島教室が10/6(日)の予定です。また表町商店街将棋イベントを10/19(土)に開催予定です。

「早仕掛け」の応用編として、「エルモ囲い」からの仕掛けを研究してまいりました。今回が最終回です。

 

図4は先手が▲1五角と打った局面(「その13」を参照ください)です。前回はここで後手が△4四角と打つ変化を研究しました。今回は△2四歩という手を研究してみたいと思います。

 

(図4 ▲1五角まで)

 

○図4以下の指し手(その2):△2四歩、▲同角、△4四角、▲3一龍、△4三飛、▲3二龍、△5三飛、▲6六銀(結果図)

 

△2四歩は「中合い」(ちゅうあい)と呼ばれる「合い駒」(あいごま)の手筋です。先手が▲3七角と「成銀」を取ると、△4五桂で後手が面白くなります。なので先手の▲2四同角はこの一手でしょう。「中合い」の効果で後手は「3七」の「成銀」を助けることに成功しました。

 

(結果図 ▲6六銀まで)

しかし、本譜は「3七」の「銀」よりも、「3三」の「桂」が急所で、ここに「馬」を作ることができれば先手優勢になります。なので、後手は△4四角と打って「3三」の「桂」にヒモをつけます。さて、この局面はどこかでみたような記憶があるという人は大したものです。前回(「その15」の途中図とそっくりですね。そのことに気が付けば、▲3一龍以下、後手の「飛」を攻めつつ4筋から「飛」を移動させてから▲6六銀(結果図)としておけば先手のペースとなります。結果図からは次に▲4三歩からの「と金」攻め(▲4二歩成~▲4三と)が常とう手段です。

 

今回は、対振り飛車の作戦の1つである「早仕掛け」について、その基本的な狙いから応用編までを解説してまいりました。応用編については、初心者の方には難しかったと思います。また、あくまでカクザン独自の研究ですので、正解手かどうかを保障するものではありません。要は、大まかな基本を理解した上で、実戦で経験を積みつつ、独自の研究を重ねていく。これが将棋上達のステップだということを申し上げたいと思います。

 

将棋の戦法も日々進化しています。AIの発達によって、そのスピードは著しいものがあります。しかし、大事なのは、最新の定跡を追いかけることよりも、自分の得意な形を見つけて、その土俵上で戦えるようになっていくことです。実戦では経験値が高い方が戦いを優位に進めやすいのです。初心者の皆さんの将棋上達を期待しています。

 

 

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